私の趣味は畑作業です。先日、道路沿いにある畑で道路の掃除をしていたらおばさんが目の前に立ちつくしていた。
そしてどこに持っていたのかひょいとペットボトルの麦茶を差し出してくれた。
その日は蒸しばんでいた。
「それはおばさんが散歩中に飲むものじゃないの」
「いや、良いんだ」
私も喉が乾いていたので遠慮せずにガブガブと飲み始めた。
そしておばさんが
「この黄色い花が必要なら持っていっていいよ」
「そこのユリが咲いたら持っていって良いよ」
「そこに植えてあるサツマイモは収穫しても良いよ」
という。そして何度もそれを繰り返すのだった。私がこの畑をやる前にこのおばさんはこの畑を耕していたと地主さんから聞いていたので
「それね〜、全部、私が植えた物だよ」
と言いたかったけれども私はそう言わなかった。
認知症の方の言う事を否定せずにそのまま受け入れてあげることが大切だとどこかで読んだ事があるので
「はい、分かりました」
「はい、分かりました」
を笑顔で繰り返しました。
「さっき車で通った人がいるでしよ」
「あれ、私の娘なんだよ」
そう言うので
「近くに住んでいるのですか」
と尋ねると
「いや、川崎に住んでいるんだ」
そう答えたのだった。
どうも直前の事は正しく認識しているみたいです。ただ会話している限りでは記憶と年月日の関係が曖昧になっているみたいでした。
でも優しさがあるおばさんで
本当に喉が乾いていたので
「おばさん、ありがとうね!」
そう思う日でしたよ!
