1993年リリース。

初期のマニックスを牽引したのはセンセーショナルな発言、ルックス、パフォーマンスでした。

それはジョン・レノンへの侮辱的な発言、初期クラッシュのようなスプレーシャツ、4REAL事件と、マスコミを上手く利用しながら視覚を刺激してきたのです。

それにはリッチーの貢献が大きく、大学出で文学に造詣の深い彼が手掛ける詞も大きなインパクトをもたらしていました。


一方、音楽的な部分でのバンドのエンジンはジェームスでした。

この頃の彼等のライブを観れば明白ですが、

楽器未経験者と素人レベルのメンバーの中、リードボーカルとリードギターを受け持つジェームスが孤軍奮闘しているのがよく分かります。


そんな彼等が解散を撤回してリリースした2ndアルバムが本盤となります。


日本ではロキ○ン系のリスナーに支持されていた彼等でしたが、解散を撤回した事により、ロキ○ン誌にありがちなトーンダウンが始まり、本盤は前作ほど好意的には受け入れられなかった記憶があります。


俺は本盤が彼等アルバムの中、今の時点では1番好きです。

それは、双頭バンドだった彼等のせめぎ合いが美しく結実していると思うからです。


収録曲は、
1 Sleepflower
2 From Despair To Where

3 La Tristesse Durera (Scream To A Sigh)
4 Yourself
5 Life Becoming A Landslide
6 Drug Drug Druggy
7 Roses In The Hospital

8 Nostalgic Pushead
9 Symphony Of Tourette
10 Gold Against The Soul


アルバムを通して感じるのは、『アイロニー』です。
彼等が2ndをリリースする事自体が裏切りと捉えられてしまった事への焦りと怒りが混在しているように感じます。


音的には、マイナーコードを多用しているわけではないのですが、アルバムを貫く終末感が切なさを醸し出しています。
ジェームスは音楽の虫だと思うのですが、彼の引き出しの多さが垣間見れます。



この頃のリッチーはインタビューを読んでも、PVを観ても、感じるのは何とも言えない気怠さです。

もう既にリッチーは消えることを考えていたのだと思います。