1986年リリース。

トッド・ラングレンによりプロデュースされたXTCの8枚目のアルバムです。

XTCがライブを止めてスタジオレコーディングのみのバンドとなったのは1982年暮れです。

『ママー』『ビッグ・エクスプレス』と試行錯誤しながら秀作をリリースしました。

本盤も前2作と同様に『ライブで再現しない事を前提』として作られています。

彼等の歴史の中、本盤は特に評価も人気も高いです。
それはライブから解放された事により曲を緻密に作り込めるようになった事、そしてその緻密さの壁に分離の良い音作りで風を通したトッド・ラングレンの手腕によるものだと思います。

5才違いで、大のビートルズフリークで同じような資質を持つトッド・ラングレンとアンディー・パートリッジは意見が衝突し、アルバムの製作は難航を極めたそうです。

その衝突がこのアルバムのクオリティーを高める要因となったのは明らかです。
天才同士の意地の張り合いはお互いのアクを抜いてくれたのだと思います。
事実、本盤は念願の全米でもヒットをしました。
ですが、その後この2人は顔を合わせていないそうです。(ヒットの裏にはdear godのヒットもあったワケですが、、、)

そう考えるとやっぱり人間関係って難しいですよね(^-^;


本盤の曲の質の高さは周知の事実ですが、特に前半の流れは絶品です。
コリン・ムールディングが秀逸な曲を残していて、ビートルズの『ticket to ride』のメロディーを潜ませた『the meeting place』は彼の曲では今のところ一番好きです♪

アンディーはいつもながら捻りのあるポップスを書いています。
特に『season cycle』はビーチボーイズ的なコーラスとリズミカルな歌詞の韻の踏み方が素晴らしいです。


さて、収録曲ですが
1 Summer's Cauldron
2 Grass
3 The Meeting Place
4 That's Really Super, Supergirl
5 Ballet For A Rainy Day
6 1000 Umbrellas
7 Season Cycle

8 Earn Enough For Us
9 Big Day
10 Another Satellite
11 Mermaid Smiled
12 Man Who Sailed Around His Soul
13 Dying
14 Sacrificial Bonfire


・冒頭の虫の音のSE。
・エメラルド色の美しいジャケット。
・『雨』がキーワードとなった詞が多い。
以上の点から俺は5月~6月に本盤を無性に聴きたくなります。


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