オリジナル盤は1995年リリース。
本盤は2007年にDisc Unionが復刻したもの。
青江三奈が1995年にニューヨークにて録音した疑似ライヴ盤。
疑似と書いたのは、スタジオ録音とライヴ録音をミックスしているからですが、中途半端な感じなど微塵もなく、青江三奈の歌の上手さと艶っぽさにどっぷりと浸れる素敵な1枚です。
自身のヒット曲やカバー曲をニューヨークのトップジャズメン達と嬉々として歌っています。
オリジナル曲の素晴らしさは時代を越えるものだと思いますが、こうやってジャズフレイヴァーが加味されると新たな魅力に気付かされます。
元々大好きだった『国際線待合室』ですが、ホーンアレンジを一新された本盤のバージョンには驚かされるのと同時に胸を掴まれました。
『~ブルース』シリーズや『池袋の夜』の持つdecadance的な雰囲気はNYの街にもピッタリ合うようで、改めて聴き惚れてしまいます。
カバー曲では『NEW YORK STATE OF MIND』がとても良いです。
これも原曲がとても好きですが、青江三奈が歌うと曲に情念的な色が付いて耳を離れません。
残念ながら動画がないのですが、是非一度聴いてみてください。
洋楽ファンにもきっと足を止めさせるものだと思います。
『上を向いて歩こう』のレゲエ的なギターアレンジも面白いです。
解説は元スイングジャーナル編集長の岩浪洋三さんが執筆していますが、これがまた素晴らしい!
デビュー当時、銀座のキャバレーでジャズを歌う青江三奈を観ている氏ならではの視点から書かれたライナーノーツは、俺のような後追いファンには目から鱗の連続です。
氏の青江三奈へのほのかな恋心も垣間見れ、それが青江三奈の魅力を別の面から教えてくれているようで嬉しいですね。