1986年リリース。
今のところ、本盤がジェネシスの代表作になるのだと思います。
それはやはり『圧倒的なセールス』による判断で、ここにはピーター・ガブリエル在籍時のアングラ臭漂うプログレ然としたジェネシスは存在しません。
立体的で緻密なプロデュースワークと変拍子を交えながらも至極メジャーな楽曲を兼ね備えた大ヒット作ですが、歌詞は少し奇っ怪さを残してはいます。
間違いなく80年代を代表するアルバムですが、今聴いても『懐メロ』に聴こえないのはトニー・バンクスの大胆なアレンジに依るところも大きいと思います。
本盤に伴う大規模なツアーで疲れ果てた彼等は次作をリリースするのに5年を要しますが、同時にこの圧倒的なクオリティーを越える苦悩もあったと思います。