運命って面倒臭いな
便利な言葉だと思ってた
運命って
結局後付けの結果論を表す言葉だし、ポジティブな意味でもネガティブな意味でもプラスの意味があると思ってた
私はネガティブな意味でしか使わないけど、何かが上手く行かない時
『こういう運命だったんだ』
って思えば、心が浄化される
努力が空回って付いた心の痛みが、少しはマシになるような気がしていた
だから私は運命が好きだった
何かに付けて運命という言葉を毛頭に置いて、嫌な事がある度引き出しては自分を慰めた
そのうち上手く行かなさそうな事柄にも、やってみる前から運命という言葉に頼って諦めるようになった
居心地が良かった
私は運命という免罪符に依存して、努力する事を忘れてしまった
運命なんて
ただの逃げ道だった
痛いくらいに分かってる
私には何があっても諦められない事が一つだけある
それなのに私は自分の保身の為に、幾重もの運命という名の伏線を張り続けた
少しでも諦める理由が欲しかった
傷付くのを恐れた私の、最後の砦みたいな物だった
でも
伏線は伏線
難攻不落の鉄壁には成り得ない
私の砦は脆く、いとも簡単に無惨な姿になった
何重にもグルグルに巻かれた線はまるで壁の様に膨れ上がっていたけど、たった一本を切ってしまえば、それは音も無くハラハラと落ちていった
運命を過信しすぎた私の悲しい誤算
本当に譲れない物の前では、運命なんて安っぽい言葉は意味を成さなかった
落胆する
絶望する
運命では片付けられない・片付けたくない事の前に立って、初めて運命の重さを知ってしまった
努力なんかじゃどうにもならない次元なのに、運命という言葉に逃げられない事がある
目の前にある
まるで
生き地獄のようだ
運命なんて人の気持ち次第でどうにでも捉えられる
でも本当の運命は揺るぎない真実で、私なんかのちっぽけな信念じゃ変える事は出来ない
運命は
愛しい
憎い
味方でもあって
最大の敵だ
運命はとてもシンプルで複雑で、面倒臭い物だと知った