実母は、いわゆる「手に職」のある人でした。

 

それで、私は物心ついたときから

 

手に職をつけろ

 

と言われてきました。

 

手に職があれば他人に頼らず一人で生きていける

いざという時、自分で自分を養えれば立場が強い

離婚したって生活に困らない

結婚しても子供を生んでも仕事を続けろ

人は食えてなんぼ

社会は甘くない

 

幼児どころか、乳児の頃からそう言われてきたので

それが私の金科玉条でした。

 

進学先を選ぶとき、転職をするとき

当然に手に職、またはスキルアップを優先

常に経済的自立を必須としてきました。

 

自分に都合よい独自理論ばかりの実母でしたが、これだけは普遍性があることで、ありがたい教育だったと思います。

 

本当なら大樹に寄って定年まで過ごせるのが良いですが、大樹に寄れなくなることもある。精神薬の薬害とそこからの離脱とか、問題があって仕事ができないときもある。でも手に職があったので転職もできたし一定期間仕事を止めて状況が良くなったら復帰する、ということもできました。止める期間も復帰の時期も、全部自分の都合で決められた。アラカンで転職もできました。派遣だから還暦過ぎても給料下がりません。

 

何にでも良いところはあるもんです。