今日はやけにお天気がいいので
ここの存在を思い出した。
いろんなことがあり
まだ少し
腹の中は変なのだけど
昨夜は虫の知らせか
はたまたそれを絆というのか
どっちだってかまわないが
息子がひょっこり帰ってきた。
好物のぶり大根を炊いていたからかな。
「髪、切ったの」
「うん、節分の日にね」
久しぶりに見る私の短い髪に
遠い昔
小学2年だった自分を置き去りにして家出し
ひと月ぶりに帰ってきた母のことを
思い出したのかもしれない。
あの時私は大阪に逃げて
腰まであった長い髪を切り
ひと月経ってから自宅に戻って
家族にろくな謝罪もせず
今も何食わぬ顔で生きている。
何をしにきたのかわからないが
息子はぶり大根とサラダとマーボー豆腐、どんぶり飯を食べて
「彼女が待っているから」
夜中の12時を回ったあたりに帰って行った。
3月16日は私の母の命日だけど
本当は前日の15日に亡くなっていた。
死亡推定時刻は夜の11時。
翌朝冷たくなって発見された。
私は母の死まで
伯母や祖父など
ひとの死に直面して免疫をつけていたので
そのたびに
とてつもない悲しみの中をもがいて
のたうちまわっていたけれど
ひとがあっけなくこの世を去るということを
腹の中では十分理解していた。
いつか自分もそうなる。
めずらしいことでもなんでもない。
たぶん私の場合は
度重なる悪事の前科があるので
どうやら天国には行けそうもないし
地獄に行けば
私よりもっととんでもないことばかりした母が
閻魔様と仲良くなって
肩を組みながら待っていると思う。
ここは地獄の1丁目。
「あら、あなたも来てたんだ」
地上で一緒に悪事をはたらいたひとと
死んだ後も出逢ったら
どんなにおかしいだろう。
地獄で笑ってはいけませんね。
それにしても
私に気持ちの変調があると
なぜだか判で押したようにやって来る息子には
本当に驚くばかり。安否確認なのだろうか。
見えないへその緒というのか
まだつながっていたのかと思い知らされる。
じゃあ
私と母はどうだろう。
私はこの世
母はあの世。
かなりの距離がありそうだけど
実はそんなに遠くはない気がする。
志賀直哉の読み過ぎかな。
そういや、母の彼氏も直哉といったな。
3月のこえをきくと
決まって『大嫌い』ならっきょうを食べたくなる。
らっきょうは母の好物だった。
いやだなぁ。
なんでよりによってらっきょうなんだ。
いちごとか
みかんとか
他にも何かあっただろうに。
母は私にとって
もちろん母であり
何でも相談できる姉であり
頼りがいのある先輩であり
一緒に泣ける親友であり
しこたまふざけあえる飲み仲間あり
とにかく
世界で一番大好きな人類だった。
彼女がいれば
友だちなんていらなかった。
そんな終わったことはもういい。
本日の問題はらっきょうだ。
私の血と肉は
そもそも全部
母からもらったものだから
時々そんな感じに
憑依というか
自分の身体が自分でなくなるような感じがする。
そうだ
母の骨。
喉仏といわれている小さな骨を1本
私は食べてしまったことがある。
それほどまで彼女を愛していた。
そんなことをするのは
勝新太郎と私くらいなものだろう。
どのみち排泄されてしまうのに
腹の中に母を吸収したくて
そんなまねをしてしまった。
たたりか。
バカだねー。
「ごたごた言ってないで、早くらっきょうを食べておくれよ」
15年も経てば
ほとけさんは無になっているはずなのに
しぶといな、うちの母さんは。
しゃーない
らっきょうを買ってくるか~~!
ここの存在を思い出した。
いろんなことがあり
まだ少し
腹の中は変なのだけど
昨夜は虫の知らせか
はたまたそれを絆というのか
どっちだってかまわないが
息子がひょっこり帰ってきた。
好物のぶり大根を炊いていたからかな。
「髪、切ったの」
「うん、節分の日にね」
久しぶりに見る私の短い髪に
遠い昔
小学2年だった自分を置き去りにして家出し
ひと月ぶりに帰ってきた母のことを
思い出したのかもしれない。
あの時私は大阪に逃げて
腰まであった長い髪を切り
ひと月経ってから自宅に戻って
家族にろくな謝罪もせず
今も何食わぬ顔で生きている。
何をしにきたのかわからないが
息子はぶり大根とサラダとマーボー豆腐、どんぶり飯を食べて
「彼女が待っているから」
夜中の12時を回ったあたりに帰って行った。
3月16日は私の母の命日だけど
本当は前日の15日に亡くなっていた。
死亡推定時刻は夜の11時。
翌朝冷たくなって発見された。
私は母の死まで
伯母や祖父など
ひとの死に直面して免疫をつけていたので
そのたびに
とてつもない悲しみの中をもがいて
のたうちまわっていたけれど
ひとがあっけなくこの世を去るということを
腹の中では十分理解していた。
いつか自分もそうなる。
めずらしいことでもなんでもない。
たぶん私の場合は
度重なる悪事の前科があるので
どうやら天国には行けそうもないし
地獄に行けば
私よりもっととんでもないことばかりした母が
閻魔様と仲良くなって
肩を組みながら待っていると思う。
ここは地獄の1丁目。
「あら、あなたも来てたんだ」
地上で一緒に悪事をはたらいたひとと
死んだ後も出逢ったら
どんなにおかしいだろう。
地獄で笑ってはいけませんね。
それにしても
私に気持ちの変調があると
なぜだか判で押したようにやって来る息子には
本当に驚くばかり。安否確認なのだろうか。
見えないへその緒というのか
まだつながっていたのかと思い知らされる。
じゃあ
私と母はどうだろう。
私はこの世
母はあの世。
かなりの距離がありそうだけど
実はそんなに遠くはない気がする。
志賀直哉の読み過ぎかな。
そういや、母の彼氏も直哉といったな。
3月のこえをきくと
決まって『大嫌い』ならっきょうを食べたくなる。
らっきょうは母の好物だった。
いやだなぁ。
なんでよりによってらっきょうなんだ。
いちごとか
みかんとか
他にも何かあっただろうに。
母は私にとって
もちろん母であり
何でも相談できる姉であり
頼りがいのある先輩であり
一緒に泣ける親友であり
しこたまふざけあえる飲み仲間あり
とにかく
世界で一番大好きな人類だった。
彼女がいれば
友だちなんていらなかった。
そんな終わったことはもういい。
本日の問題はらっきょうだ。
私の血と肉は
そもそも全部
母からもらったものだから
時々そんな感じに
憑依というか
自分の身体が自分でなくなるような感じがする。
そうだ
母の骨。
喉仏といわれている小さな骨を1本
私は食べてしまったことがある。
それほどまで彼女を愛していた。
そんなことをするのは
勝新太郎と私くらいなものだろう。
どのみち排泄されてしまうのに
腹の中に母を吸収したくて
そんなまねをしてしまった。
たたりか。
バカだねー。
「ごたごた言ってないで、早くらっきょうを食べておくれよ」
15年も経てば
ほとけさんは無になっているはずなのに
しぶといな、うちの母さんは。
しゃーない
らっきょうを買ってくるか~~!