2時間の限られた時間
彼女は静かに揺れていた
俺は思い出す
10才くらいに彼女を好きだった事と
20歳過ぎの頃
受話器の向こう側
リストカットを繰り返していると
平気な声で告げられた時の事を
俺は立て続く くだらない出来事に
心底 うんざりしていて
自分さえ見失いそうだった
彼女は知らぬ間に そこにいて
相変わらず物静かで
日の光が邪魔をしているが
確かに笑っていた
俺は言う
「何処かへ 一緒に行こうか?」
そして 思い出す
彼女は幸せになった事と
これは夢の中だということを
そして俺はまた
くだらない方へ
くだらない方へと
影を落としていく