とあるランチタイム、レストランでのこと。


初老の男性2人が入店してきた。

アルバイトの店員さんはマニュアル的に案内をする。

店員「当店オーダーはQRコードからお願いをしておりますが〜(大丈夫ですか?的な)」

初老1「あー、大丈夫大丈夫!最近みんなそうだよな」

と店員さんを遮るかのように返事する初老。


軽く会釈して店員さんは下がっていった。

初老2「俺はこういうのだめだ。」

初老1「こんなの簡単だよ。逆に焦らず選べていいわ。笑」

という会話をしながら初老さんはQRコードをスマホで読み取りポチポチ始めた。


初老2「(メニューバックを見ながら)俺はセットのBな。」

初老1「お、おう!」


しばらくポチポチが続く。


初老1「なかなかメニューまで進まねぇな。」

初老2「選ぶだけじゃないのか?」

初老1「まだ食ってもないのに、味とか聞いてくんだよ。(ブツブツ)変な店だよな。」

またしばらくした時

初老1「あれ?ありがとうって、何も選んでねぇーぞ?」


何かおかしいと思った初老1さん、店員さんを呼ぶ。

初老1「ここ読み取りしてぇ、だろ?それで。。」

店員さん「お客様、こちらアンケート用のQRで、オーダーのものはこちらの伝票にございます。」


一瞬の沈黙のあと初老たちは吹き出して笑っていた。

初老1「年齢とか職業とか来店歴とか、いろんなこと聞くんだなって思ったらアンケートかよ!笑。こりゃ恐れ入った!」

初老2「俺たちジジイにはまだ勉強が必要だな!笑」


終始和やかに、そして店員さんは口頭でオーダーを聞いていってくれた。


何とも平和なひとときに感じた。


時代と共にデジタル化して、高齢者にとってもハードルが上がっていることには間違いないが

何かを学んで試す、間違える、を繰り返すことでなんだかんだで順応していく。


今回遭遇した初老たちが、キレずに笑いが起きたことになんか希望が見えた気がする。