49

「知ってたのか、愛美……」

俺は、動揺を隠して。

冷静に、愛美に訊いた。


「……やっぱり、そうなんや。そんな気がしてたわ……」


って、あれっ……?

そうか……。

愛美は、どうやらカマをかけたらしい。

それなら、俺にも対処法はある。


「いたけど、何か問題ある?」

俺は、優しく愛美を見つめる。


「今は、愛美とこうして一緒にいる。俺が愛美に逢いに来た訳、分かってるだろ?」


愛美は、じっと俺の目を見つめて。

そして、ゆっくりと頷いた。


俺と愛美は、手を繋いで公園を歩いた。

少し元気がなかった愛美も。

だんだんと、いつもの明るい愛美に戻っていた。


春の日差しが、気持ち良かった。

それは、愛美と一緒にいるせいなのだろうか?

俺は、なぜか落ち着いた気持ちで愛美を見つめていた。


しかし……。

たとえ、ミキを抱いたとしても。

ミキとの未来なんて考えられない。


俺は所詮、そんな男だ。

誰も、幸せになんて出来ない。


俺は、愛美をじっと見つめる。

優しくしてくれる愛美やミキだって。

俺は、絶対に幸せになんて出来ないのだ。


あんなに愛していた、麻里恵を幸せに出来なかったように……。