19
ちょっと歩いてバーガーキングに入った俺は、コーラとテリヤキワッパージュニア、オニオンリングフライをオーダーする。
「……ユート! いつもこんなのばっかりじゃダメだよ! 分かってる?」
「あぁ……でも好きなんだよな……ハンバーガーで一番好きなんだ」
「もう……仕方ないな……あたしが料理作ってあげられれば良いのにね……」
エンジェルの料理か……一体何を作るんだろう?
エプロンをして料理をしているエンジェルの姿を想像すると、俺は自然と笑顔になる。
「ユート! エッチな想像はダメだぞっ!」
「あぁ……そうだな……」
「ダメだってば! ユートのバカァ!」
想像しただけで、全てが伝わる。
それはそれで、面倒なこともあるけど……。
俺には、それが幸せなことに思えた。
あっという間に食事を済ませた俺は、ゆっくりと秋葉原駅へと歩く。
俺は、ただエンジェルと二人きりになりたかった。
ふたりきりで、ゆっくりと言葉を交わしたかったんだ。
夜になると、少しは過ごしやすくなる。
しかし、今年の夏は異常な暑さだった。
そしてもうすぐ9月なのに、相変わらず昼間は真夏のような暑さだった。
それでも、確実に季節は巡る。
この春だって、ずいぶん寒かったんだ……。
だけど、それはいつの間にか忘れてしまう。
人の記憶なんて、そういうものだからな……。
喉元過ぎれば熱さ忘れる、か……確かに、そうなのかもしれない。
エンジェルと過ごす時間が増えるごとに……俺は、きっとリノを忘れられる。
俺は、そう感じていたんだ。