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「話したいことがあるの……さっきは、自分の気持ちが整理出来なくて……」


「それで……逃げちゃったの?」


「そうだよね……あたし、逃げたんだよね……」



詩子は小さな声で、ごめんなさいと言った。



「俺、怒ってないよ……だって、理由があるはずって思ったから」


「ごめんね……ありがとう……ねぇ、また逢える?」


「あぁ……今度は逃げないって約束してくれたらな!」


「うん……約束する……」



待ち合わせの前に、俺のケータイ番号を詩子にDM(ダイレクトメッセージ)で伝えておいた。


でも、俺は詩子の番号もアドレスも知らなかった。



でも、これで詩子のケータイ番号は確認出来た。



「ちょっと仕事でバタバタしそうだから、また連絡するよ」


「うん……待ってるね……今日は、本当に、ごめんなさい……」



電話を切った俺は、ひとつ溜息をつく。



詩子のことは……また後で良い。


でも、詩子ともう二度と逢えないのではないか?という恐怖からは逃れられた。



今は、絢音だ。



俺は、絢音のケータイに電話を掛ける。



今度は呼び出し音も鳴らず、すぐに留守電のメッセージが聞こえた。



絢音……。



俺は、PCの前にどっかりと座り込む。



何もなければ良いけど……。



俺は、そのとき間違いなく悪い予感がしていた。



絢音は、もう俺のところに戻って来ないのではないか?という、そんな予感が……。