24
俺たちはロフトを降りて、とりあえず何か食べることにした。
「フランスパンとコーヒーくらいしかないけど、いい?」と俺は、まだ眠そうな弥生に声をかける。
「あっ、はい!」と、弥生は恥ずかしそうにうなずいた。
俺は、オーブンレンジの中に厚めに切ったフランスパンを6つ入れた。
パンが焼ける間に、コーヒーを淹れる。
もちろん、インスタントではない。
俺は、モカの味が好きだ。
しかし、モカだけだと単純すぎる味になるので、モカとブルーマウンテンを中心にブレンドしたものを選ぶ。
弥生は、落ち着かなさそうに革のソファーに座っていた。
きっと、こんなシチュエーションにも慣れていないに違いない。
背の低いテーブルの前に、隣り合って俺たちは座っていた。
「いい香りのコーヒーですね」と、弥生は言った。
「あはは!どうした?ずいぶん他人行儀じゃない?」と、俺は弥生をからかう。
「だって……」
そう言って、弥生は俺の目を見つめた。
キレイな瞳だった。
俺は、弥生から逃げるように、視線を外す。
ドキドキしていた。
「弥生ってさ、ホントはいくつ?24じゃなくて、もっと若いだろ?」
俺は、動揺を隠すように、弥生にそう聞いた。