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そのとき、突然に詩子(うたこ)が口を開いた。
「創さんを助けたい……それが、あたし達の共通した思いだったんだよ……」
やはり、そうなんだ……。
俺は、思っていた通りの展開に力が抜けていくのを感じていた。
俺の記憶は、本物なのだろうか?
絢音(あやね)のこともそうだが、もしかしたら……奏(かな)とのことだって……。
俺の記憶は、造られたものなのかもしれない。
それも……いま目の前に居る女たちによって……。
でも、なぜ?
それは、俺を救うため?
でも、何から俺を救うんだ?
子どもの頃のトラウマか?
それにしたって、なぜそこまでして……?
そこまでして、俺を救う必要があるのだろうか?
良く分からない……でも……。
でも、それは……俺はいつからか、予感していたことなんだ。
俺は、異常に勘が良い。
それは、いつの間にか俺自身が自覚していることだ。
もしかしたら……自分の脳の中に、幾つかの人格を持ったせいなのかもしれないが……。
本当の理由は良く分からないし、理由を知る必要もないが……。
たぶん、脳の中で何か普通とは違う働きが生まれたのかもしれない。
いずれにしても俺は、少しだけ不思議な力を持ったんだと思う。
それは、超能力というほど大げさなものでもないし……。
何かの役に立つほど、立派な力でもない。
でも、俺は……きっと普通の人間とは違う、何かを得てしまったのかもしれない……。