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「お父さん、これって……?」



ぼくは、お父さんが差し出したCANONのデジカメを受け取る。



「これは、君が持っていなさい……」




病室を出た、ぼくは。


ゆっくりとデジカメの電源を入れた。



角が少しへこんだ、そのデジカメは。


何事も無かったかのように起動した。



ぼくは、メモリーに残った写真を見る。



えっ?


こ、これは……!



そこには。


ぼくの写った写真が、何枚もあった。



いつの間に、彼女はこんな写真を……!?



そこには。


楽しそうに笑っている、ぼくがいた。



ぼくが笑っている写真を。


いつの間にか彼女は撮っていたのか……。



ぼくは。


その写真に、呆然としていた。



ぼくは。


自分自身、こんなに笑えていたんだということに。


気づかないでいたから。