18
「お父さん、これって……?」
ぼくは、お父さんが差し出したCANONのデジカメを受け取る。
「これは、君が持っていなさい……」
病室を出た、ぼくは。
ゆっくりとデジカメの電源を入れた。
角が少しへこんだ、そのデジカメは。
何事も無かったかのように起動した。
ぼくは、メモリーに残った写真を見る。
えっ?
こ、これは……!
そこには。
ぼくの写った写真が、何枚もあった。
いつの間に、彼女はこんな写真を……!?
そこには。
楽しそうに笑っている、ぼくがいた。
ぼくが笑っている写真を。
いつの間にか彼女は撮っていたのか……。
ぼくは。
その写真に、呆然としていた。
ぼくは。
自分自身、こんなに笑えていたんだということに。
気づかないでいたから。