日々ギャンブルへの依存を深めていく中で、当てた大金も底をつき、節約で資金を捻出し始めることになった……、と前回書きました。

3年間くらいは、そのやり方でどうにかなっていたのですが、ここ1年は捻出できるお金もなく、ついにギャンブル依存性の王道とも言える借金に手を出してしまいました。
 
 
ギャンブルが自宅にいながらできることで、依存性を加速させましたが、借金すら自宅から一歩も出ずに借りられるなんて知りませんでした。
もちろん、提出書類のいくつかはありましたが。
 
 
 
ということで資金を確保した自分は、意気揚々とさらに博打の機会を増やしていきます。
 
 
 
運転中、信号待ちで賭ける
仕事中に机上の死角を見つけてこっそり賭ける
会議中にトイレに抜け出して賭ける
家族で外食中に馬場傾向をチェックし賭ける
昼休憩中に堂々と賭ける
ベッドの中で布団にくるまりながら賭ける
などなど、時と場所など関係なく賭けていました。
 
 
 
ちなみに、車内でギャンブルをする時、
ゆったり落ち着いた状況ではないので、ろくに予想もしません。
前を走る車のナンバーを見て、同じ数字をそのまま買ったりします。そして、そういうのが何十万円かになったりするのです。
なんだ予想とかいらないじゃんと神妙に考えたりもしました。
 
 
しかしそんなペースで賭けていると、借金は緩やかにではあるけれど確実に増えていきます。
もちろん借金のことは誰にも言っていないので、背徳感、焦燥感が凄まじくなってきます。
というのも、独身ならともかく、自分は妻子がいるので収入はほとんどすべて家計に入れており、自由なお金は月の小遣いのみなのです。
借金が増えると共に返済金も増え、やがて小遣いより返済金の方が多くなってくるのも時間の問題でした。
 
 
 
困ったなと思いました。
 
 
 
採るべき道はひとつ。自転車操業しかありません。
借金返済のために借金するという多重債務者の悪夢の入り口です。
自分の場合、返済に加えてギャンブル資金もきちんと確保しないといけない使命を感じているので、競馬に勝つということが、より真剣味を帯びてきます。
 
 
 
この頃から、ギャンブルをする時に妙な緊張感があり、なんか嫌だな、怖いなと心のどこかで感じながら賭けるようになりました。借金返済という新たな目的のため、賭け金も多くせざるを得なかったからです。
破滅は手が届く身近な存在として、確実にそこにありました。最早、節約だとか小銭貯金なんて焼け石に水であり、ギャンブルで当てるしかないと思い詰めるしかありません。
 
 
 
のるかそるかの勝負を頻繁に、長期的に行っていると、思考や感覚がほんの少しずつズレてくるのがわかります。しかし、建設的で健康的な思考、感受性だとか気力といったものが雲散霧消していくのを認識しながら、ただただ放っておくしかありませんでした。
 
 
 
 
ちなみにこの状況が一か月くらい前のことです。
数年前はぽんと200万円くらい単勝馬券を買っていたことが、自分のことながら信じられない気持ちがしますが、今大金が転がり込んだところで同じような運命を辿る気もします。
ギャンブル依存をやめることだけが本質的な解決ではないかもしれない……。
そう考えるとうんざりします。