Wikipediaによると秋の星座というのは夏の星座のきらびやかさに比べると地味なんだそうである。そんな秋の星座で目につくのがケンタウルス座で、古代ギリシアの想像上の動物ケンタウロスからきているという。ケンタウロスが由来の星座は他にもあって、いて座がそれにあたるとか。いて座はケイローンという名の、神の子達を立派に育てたケンタウロスだそうだ。
果たしてユニオンプロレスはケンタウロスたりえるのだろうか。

はじめに言っておくが今回は写真は冒頭の2枚しか撮って無い。写真は他の方に任せるとして、記録より記憶に残すことに決めたからだ。

さて、リングアナの細身のシャイ ボーイによるトーク、そして今回は紫雷美央さんも登場した。細身さんもこれでプロレスの前説最後となるのだろうか。

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前説が終わると照明が消えて、THE BLUE HEARTSの『終わらない歌』に乗せてユニオン10年の歴史をダイジェストで振り返るオープニングVTRが流れる。もうこの段階でウルウルだ。

選手全員がリングに登場し、代表の挨拶の後にイサミ選手が「もう…ちょっと辛いけどゴールテープは見えているんですけど、最後まで突っ走ってゴールテープ切っても走り続けますんで、ゴールテープ切る姿を皆さん見届けてください。今日は応援よろしくお願いします!」と挨拶した。

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さて、オープニングマッチは20分一本勝負で、久保佑允選手&大地選手 vs 三富政行選手&中津良太選手だ。
久保選手と三富選手のグランドの攻防から入り両チーム共にいい連携で試合を進めるが、三富選手、中津選手組みの連携は上手く三富選手がソルティー スプラッシュで久保選手を破り勝利した。

第二試合は、選抜!!メモリアルタッグチーム5組掛け特別ルール 各5分一本勝負
諸橋晴也選手&福田洋選手&竜剛馬選手with小笠原和彦 vs 高木三四郎選手&新高木三四郎選手、趙雲子龍選手&曹彰選手with真琴姫、A.YAZAWA選手&遠藤マメ選手with風間ルミ選手、リッキー・フジ選手&DJニラ選手、ガイジンA選手&ガイジンA選手、だ。諸橋選手、福田選手、竜選手のうち2人を試合ごとに選抜してタッグマッチをおこない、試合の勝敗に関わらず5チームと対戦する特別ルールだ。最後までユニオンらしい。一組目は諸橋選手がクリップラー・クロスフェースでニラ選手からギブアップを奪った。
2組目は高木選手組みが巧みな入れ替わりで翻弄し、最後は高木選手がシットダウン・ひまわりボムで福田選手に勝利した。

3組目は真琴姫に撹乱され、曹彰が巨大ハンマーで竜を殴打して勝利した。

ここで新藤リングアナより猪熊&ますだ組は試合前のウォーミングアップ中のアクシデントにより休場、代替選手としてユニオンと縁の深いガイジンA&ガイジンAを招聘したとのアナウンスがあった。
これにより、4組目として登場した猪熊とますだによく似た顔面をテープでグルグル巻きにしたガイジンAとガイジンAとの対決となった。試合序盤から神様が出てきて「ロビンソン」をとてつも無い音程で歌いだした。失神した諸橋選手、福田選手、竜選手、さらに松井レフェリーをセロテープで顔面をグルグル巻きにしてリングサイドに吊るしノーコンテストとなった。

そして5組目のA.YAZAWA(アントーニオ本多)選手&マメ選手との試合はロックンロールデスマッチで行われるとアナウンスされた。試合は「白鳥の湖」からYAZAWA選手がユニオン軍3人まとめてスクールボーイで丸め込んで勝利した。

第3試合はユニオンプロレス認定Fly to Everywhereワールドチャンピオンシップ。第9代王者のチェリー選手は高梨マサ子(マサ高梨)を相手に初防衛戦だ。この試合、最初から最後までマサ子選手は容赦無い攻撃を貫き、正直惨いように感じたが、試合はチェリー選手が春夜恋で丸め込むと、そこから120%スクールボーイのような体勢でガッチリと押さえ込むユニオンロックで勝利、見事タイトル防衛を果たした。

第4試合はMEN’Sテイオー選手 &SAGAT選手 vs 大家(真霜)拳號選手 & 円華選手 vs 大家健選手 & 冨永真一郎選手 with紫雷美央の3WAYタッグマッチだ。『BAD COMMUNICATION』に載って大家選手 &冨永選手が登場するや会場は一体となった。試合はテイオー選手がジャックナイフ式エビ固めで富永選手を押さえ込んで勝利した。

ここで休憩。

さて、セミファイナルはFUMA選手 vs 風戸大智選手のユニオン生え抜き選手同士のシングルマッチだ。序盤から切れのある動きで関節を取り合う。打撃技で試合の主導権を取ろうとするFUMA選手に対し、打撃または飛び技を総動員して応戦し、最後の最後まで試合の行方は解らないほどに拮抗していた。最後はFUMA選手がジャーマン スープレックス ホールドから駄目押しの顔面へのソバットで辛くも勝利した。
試合後は今までの遺恨を捨て、互いに抱き合って泣いていた。館内から大きな拍手がおこった。
ユニオンの遺伝子のひとつ、ストロング スタイルは必ずやこの二人によって大きく花を咲かせる事だろう。

メインイベントはユニオンMAX選手権試合で、チャンピオン小高イサミ選手 vs 石川修司選手だ。
ユニオンプロレスを牽引して来た二人の頂上対決である。挑戦者石川修司選手が入場する。思えばユニオン解散を一番悲しんだのは石川選手ではなかろうか。気は優しくて力持ちの人間性がモロに出るシーンだった。盛大な紙テープだ。続いてはイサミ選手が入場、羽織った着物の背中には大きく「ユニオン 木高イサミ」と書いてあった。こちらも盛大な紙テープだった。
特別立会人はユニオン再旗揚げメンバーのポイズン澤田氏で、両選手に花束が贈呈された。
試合は圧倒的なパワーで石川選手が攻めるもイサミ選手も一歩も引かず、むしろあの大きな石川選手を持ち上げて投げ飛ばしてみせた。更にカナディアン バックブリーカーで攻める石川選手に対し、イサミ選手は耐えに耐え、打撃技で活路を求めて反撃してゆく。ダブル ノックダウンの死線をこえて、石川選手の後頭部に勇脚。さらにカカト落としを叩き込んでから、勇脚・斬を石川のアゴに叩きこんで壮絶な試合に勝利した。

試合後イサミ選手は「やっぱり家でした(ユニオンは)!本当に修司が長兄って感じで、兄貴って感じで、スーザンさんはサザエさんみたいな感じで。今日はお父さん(ポイズン澤田)まで来てくれましたね。ありがとうございます。僕らはここがゴールと決めました。決めたのは僕らです。今日でユニオンプロレスは解散すると決めたのは僕たちです。ですけど、ですけど、あなたが再旗揚げしたユニオンプロレス、ここまでは来ました! ここから…これがゴールではなく、ここからこのゴールテープを切って、新しいスタートラインにしようと思います。今日は見届けに来てくれてありがとうございました」と言ってポイズン澤田氏に頭を下げた。
ユニオンプロレスのテーマソング「ユニオン ロッカー」が流れユニオン選手達が一人一人挨拶を述べた。
ナオミ スーザン代表の挨拶があり、最後はイサミの音頭で観客総立ちになり「いくぞー! いくぞー! いくぞー! いくぞー! いくぞー! 3、2、1、ありがとうユニオーン!」と拳を突き上げて凄まじい一体感とともにユニオンプロレス最終興行は終わった。

会場から出る時にアナウンスがあり「以上を持ちまして本日の、そしてユニオンプロレスの全ての試合を終了いたします。皆様10年間本当に有難うございました。」とあり、ユニオン戦士達の第1章が終わった事を実感した。


さて、ユニオン プロレスとは一体何だったのだろうか?果たして神の子達を立派に育てたケンタウロスたり得たのだろうか?
それはこれからユニオン所属だった選手達のパフォーマンスにかかっている。そしてユニオンプロレスを愛したファンの声援にかかっている。

勝手に解散なんかしやがって!これから下手なパフォーマンスしたらただおかねえぞ!

だけど有難うユニオン戦士達!最高のレスラー達だったよ。

泣けてならない夕暮れだった。


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