映画のデス・ロード

映画のデス・ロード

爆破と銃撃戦のある映画は面白い!
そんな作品を紹介するブログです。

毎年恒例! 劇場版名探偵コナン!

 

コナンの大ファンな高校時代のお友達と一緒に行ったのですが、

 

1.前回の劇場版では、うっかり居眠りして話を全く覚えておらず大ヒンシュク

 

 

2.さらに、僕がコナン史上最高傑作だといい続けている『紺青の拳』ですが、コナンファンとしては駄作の部類にカテゴライズされる作品

 

 

以上の2点から、「やっぱり『ゴジラ×コング』観ようぜ!あれめっちゃいい映画だったし!」と言った僕の提案は即却下。

 

「『紺青の拳』と違って推理がちゃんとしている」(友達談)と噂の最新作『100万ドルの五稜郭(みちしるべ)』を観ることになりました。

 


映画館のポスターより

 

気になるお話。

 

北海道に怪盗キッドからの予告状が!

 

土方歳三が使ったかなんかした日本刀を頂戴にあがりますとのことで、見た目は子供頭脳は大人なコナンくんと、西の名探偵服部平次も北海道遠征。

 

時を同じくして函館では日本刀で胸を十字に切られて死んでいる男の遺体を発見!

あっ! 事件だ!

 

よし、ここからが友達の言ってた推理パートが始まるんだな。犯人誰だろう? なんて思ってたら……

 

コナンくん&平次、まさかの推理放棄!

 

事件の謎を追わず、必死にキッドを追う2人!

 

そう、本作はなんと、ミステリーを謳いながら、肝心の殺人事件も推理もそっちのけで宝探しをする全く新しいミステリーだったんですよ!

 

推理パートがちゃんとしてるんじゃないのかよ!

 

 

話は進むのですが、今回キッドは、土方の刀とはまた別の日本刀を探しに来てました。

 

日本刀は6本あって、つばのところを組み合わせると五稜郭になりそうな装飾が施されており、歴史的にも貴重な品だとは思うのですが、みんな手袋とかしないで素手でべたべた触ってるし、それでチャンバラ始まるし、何なら平次は「ちょっとかなづちありまっか?」と言ったかと思えば、刀をトンチンカンチン叩いちゃうしで、かなり乱雑にあつかわれてました。

 

で、ここまで結構な尺を使って説明されたその6本の刀は、別に話に大して関わることはなく、キッドが狙っていたのはかつての日本で開発された、戦況を一変させるほどの威力を持つお宝が、この北の大地に眠っており、土方の刀がそのありかを指し示す道標となるのだという。

 

その宝を狙うキッドのライバルは、日系武器商人のカドクラさんと6本の刀の数本を持ってた斧江財閥のバカ息子拓三さん。すでにこの世を去った拓三のパパ、忠之と仲の良かった福城良衛さん(持病あり)&その息子 聖くん。

 

で、聖くんは、剣道の北海道大会で平次と対戦することを楽しみにしていて、さらには平次の幼馴染で思い人のカズハちゃんに一目惚れ。

 

そんでもってカズハの恋敵かつ平次にぞっこんのモミジちゃんも、持てる財力をフル活用してヘリコプターで平次をストーキング。

 

果たして隠されたお宝とは何か?

平次とカズハの恋の行方は?

そんでもってみんなすっかり忘れていた最初の殺人事件の犯人は一体誰なのか⁉

 

本作の見どころは……

 

・ミシェル・ヨーばりのバイクアクションをする平次

 

・さっきまで銃をぶっ放してた武器商人とその一味の武器が、クライマックスの決闘ではなぜかみんな木刀になってる

 

・なのに一般人がなぜか爆弾を搭載した小型飛行機を所有している

 

・その飛行機でトム・クルーズ顔負けのアクションを繰り広げる平次&聖

 

以下ネタバレ!

 

今回、登場人物が必要以上に多いうえに、人となりが全く描かれないので感情移入できないのが欠点だと思います。

 

隠されたお宝が兵器だと思い込んで、それを追う武器商人ってことでカドクラさんを出すのはまぁいい(カドクラさんのおかげで派手なバイクアクションが観られたし)。

で、本作の犯人である良衛さんは、かつて医師だった奥さんを戦場で亡くしたことから、「人の命を奪う兵器なんて壊してやる」と、お宝を飛行機に乗せた爆弾で破壊しようとするのです。

 

そんな良衛さんですが、犯行動機であり物語の根幹をなす奥さんのこと以外では、持病があるとか風水に気を使ってるといったプロフィールレベルの薄っぺらい人物紹介しかないし、カドクラさんに至っては本当に何の紹介もされないキャラクターでした。

 

武器を売って財を成す男、かたやその武器で愛する人を亡くした男。

金儲けに目がくらんだ男と、己の信念のために突き進む男。

 

そんな2人が最後、対峙するのですが、全く何のカタルシスもない。


ここで「兵器を無くすために」と、良衛さんが使おうとしてた爆弾が実はカドクラさんのところで作られてたもので、それを知った良衛さんは己の間違いに気づき泣き崩れて悔やむ……なんて展開だったら熱い話になったと思うんですが、これじゃダメ?

 

 

 

と、勝手な妄想を書き連ねてしまいましたが、とにかく俺が今回は寝ないで全部観たことを褒めてほしい。

 

それで、なんでマリーナベイサンズが大爆発する『紺青の拳』がダメで飛行中のセスナの羽の上でチャンバラする本作がいいのか、名探偵コナンのアクション描写の善し悪しの基準が俺にはいちばんのミステリーでした。

 

でも、今回のオープニングで流れる曲はグレートムタ(武藤敬司)の『愚零闘武多 協奏曲』みたいでかっこよかったです!

 

P.S. 決め台詞「真実はいつもひとつ!」って言ったあと「フンッ!」ってどや顔してたコナンくんに思わず笑っちゃいました。