Dear Piano 加林あき子の音日記〜
坂本龍一さんの訃報を聞いて、色々思い出すこと、思うことがありました。
私はYMO時代は知らなくて、
学校の音楽の先生に感化されて、少し遅れて
映画「戦場のメリークリスマス」を観て、そこから遡ってアルバム「千のナイフ」を買いに走ったりして、
ちょっと背伸びして追いかけていたことが懐かしいです。
その後、映画「ラストエンペラー」はリアルタイムで映画館で観て、
パンフレットやサントラ盤も購入して、少ないお小遣いはそんな事に全て消えていってたな〜(今と変わらない…)。
ラストエンペラーの中では音楽はもちろんだけど、甘粕大尉というストーリーとしては憎き奴役…なのに、なのによ、
画面いっぱいに甘粕の左手が映るシーンがあります。ここは物凄く怖くて、そして惹きつけられました。まぁ好きになったって事です。
で、そんな風に、坂本龍一はカッコよくて偉大な音楽家だと思っていたら、
9.11の同時多発テロの後、アメリカはテロに屈せず闘うというスローガン?社会風潮一色の中、彼は戦争反対を唱えます。
こんな別の一面があるのかぁ…と思ったのと共に、
別の…と言っても、音楽家はただ音を重ねているのではなく、世の様々な事柄それら全てが混ざり合って、たまたま音となったものが作品として発表されているわけで、
別に、別の一面じゃないんだよな…のような事を思ったのを覚えています。
それは、バッハやベートーヴェン、リスト等、かつての作曲家も皆そうであったはずだけど、
現代を生きる、動いている映像で認知できる作曲家の発言として、あらためて私の中に入ってきた出来事でした。
2年前ぐらい前に買った楽譜の表紙が
逆光で桜の木をとらえた白黒写真なんです。
この写真は本人の撮影ではないのだけど、
これを見た時に、早くこれを弾いておかないと、と思い録音しました。
いつもグズグズと先延ばしする私にしては珍しいことです。
偉大な作曲家の訃報を知り、こういう考えは不謹慎かも知れませんが、
“これでヨノイとセリアズは一緒に幸せになれるね”
と安堵の気持ちにもなりました。
これは役柄にハマりすぎた意見で、当然そんな事はないのですが、
そのぐらい作品の力が凄いのだとも言えます。
そんな作品を遺してくれた現代作曲家
坂本龍一さんありがとうございました。
Ryuichi Sakamoto R.I.P.
Timeless Joy with a Steinway
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