早起きが好きだ。
小さい頃、夜のリビングは親が占拠していてテレビが見られなかった。私がテレビを見られたのは朝、親より早く起きた時だけだったのだ。
誰よりも早く起きて、1人きりのリビングを満喫する。コップに牛乳を注いでテレビをつけ、録画していた番組を再生する。それこそが私の至福の時間だった。
普段は親の管理下で、勉強はやったかとかお菓子を食べすぎるなとか言われるこの部屋も、あの時だけは自分が主人公だった。小学生くらいの歳だと殊更「誰も見ていない、自分だけがこの部屋を好きに使える」という状況にたまらなくワクワクする。
小学生にとっての自由は魔法だ。早朝のリビングは、私にとって冒険にも似た胸のときめきで満ちていた。
とっくに大人になり一人暮らしを始めた今でも、その感覚が残っている。
この家の世帯主は私だし私しか住んでいないはずだが、早朝の自由感は異常だ。
「家を出る時間が決まっている朝なんてゆっくりできない」という人が大半のようだが、私は夜早寝しないと翌朝が気になってソワソワしてしまう性質である。
何時までに寝なければいけない。寝つきが悪かったらどうしよう。寝坊したらどうしよう。なんて、いらぬ心配をしてしまうのだ。
朝の方が、起きたのだからこの時間までは何をしても良い!と自由な気持ちになれる。やりたいことは全て翌朝に回し、ワクワクしながら眠りにつく。早起きが楽しみすぎて眠れないことすらザラにある。遠足が楽しみで眠れない子供のような、そんな気持ちを呼び起こしてくれるのだ、早起きは。