母の浮気が原因だった
偶然、父が母の隠し携帯を見つけたんだ
中学に上がったのをきっかけに新しいスタートを、と
大きな三階建ての家に引っ越した日の夜の出来事だった。
きっとこうなる運命だったんだと思う
母はいつかは私たちの元を去る運命だった
そういう人だった
親権はもちろん父がとった。
母は争いもしなかった
大きな家に父と私の二人きりの生活が始まった。
それまで母が行なっていたことが一気に二人にのしかかった
父は慣れないながらに手料理を振舞ってくれた
私も家の掃除を手伝った。
だけど毎日が楽しかった。
父と娘の生活に慣れた頃になっても
まだ離婚調停は続いていた
父が家庭裁判所に出向く日は、
毎日お小遣いから花束を買って
母に渡すようにと頼んでいた。
そうすることでなぜか安心できた
なぜかは未だにわからないけれど、そうすることが
その時の自分にとってはすごく大事なことに思えた
母がいなくなってから、
好きな格好ができるようになった
そのことがとてつもなく嬉しかった
どんな髪型にしても
どんな服を着ても
否定する人も怒る人もいない
ようやく自分の思い通りにできた瞬間だった
だけど、相変わらず学校では
居心地の悪い日々を過ごすだけだった