小学校5年生のとき
2度目の転校先で
一番仲の良い友達ができた
その友達の夢はピアニスト
毎日昼休憩は音楽室で
その子が弾くピアノを
隣で聞くのが楽しみだった
それから半年くらいだったかな
その子が県外の小学校に
転校したのは。
学校の視聴覚室で
二人だけでおしゃべりしたり
いつも一緒だったから
本当に淋しかった
それから4年経って…
私も中学3年生のときに
初めてピアノを習い始めた
ずっとピアノを習いたいと
思ってたけど
お金がなかったから
習いごとできなかったんだよね
だからアルバイトや貯めたお金で
ピアノ教室に通えることが
本当に嬉しかった
あのとき友達が弾いてた曲
頭の中に流れてた
あのメロディー
その題名が分からなくて
ずっと探してたの
あのとき毎日のように
聴いてた大好きな旋律が
どのお店だったか忘れたけど
偶然流れてきて
あっ!
この曲って思ったんだよね!
でもどうしてその曲が
リチャードクレイダーマン
だとわかったのかその経緯は
忘れてしまったけど…
高校生になって初めて
ピアノの発表会に出ることに
なって
ピアノは買えないから
安いキーボードを買って
練習してたんだけど
その曲を弾くには
いっぱい練習しないと
いけなかったし
鍵盤も足りなかった
小さな電気屋さんの
2階にある教室だったから
先生のご厚意で
レッスンのない時間に
特別にピアノを使わせて
もらったりもして
迎えた発表会は
小さな子供たちよりも
下手くそで
弾き直したり
指が止まったり
いっぱい間違えたり
さんざんだったけど
それでも
先生たちは最後まで
暖かく見守ってくれて
誰かが
いい曲だねって言ってくれた
のが嬉しかった
14歳から始めたピアノ
たった4年だったけど
一番弾きたかった曲が
弾けたことに満足したのか
指の動きに
限界を感じたのか
声楽のほうが面白いと
思ったのか
専門学校に通うことになって
ピアノを習うお金がなかったのも
あってか
あの日以来弾いてない
もうカセットテープを
聞くものが家にはなくなったから
ダビングした
カセットテープは
処分してしまったの
だから
CD欲しかったんだよね♪
その友達と過ごした期間は
たった半年だったのに
あのメロディーが流れてくると
あのときの思い出が
いつも蘇ってくる
その友達とは大人になってから
2度会った
私の結婚式と
その子結婚式で。
ライブ中…
1〜2列目に座ってた人が手を挙げて
その中から
リチャードクレイダーマンが
ひとつ弾き終わるたびに
楽譜をプレゼントしてたの
リチャードクレイダーマンから
直接もらった楽譜を
弾けるなんて夢があるよね![](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/1496.gif)
![](https://emoji.ameba.jp/img/user/na/namida-egao/1496.gif)