今日塾での最後の授業が終わりました。
もう今までのようにみんなと会えないと思うと、とても悲しい気持ちになります。
大学に入学してから4年間、大学の勉強より、サッカーより、塾がオレの生活の中心でした。
テニスとか、吹奏楽とか、みんなの学校生活が部活中心だったのと同じように、
オレの大学生活は、いつも塾を中心に回っていたような気がします。
夏休みには朝から夜まで授業をして、みんなのテスト前には毎日のように塾に行ってました。
ほぼ毎日塾には行ってたものの、オレは正直、あの塾がキライです。
くわしいことは言えないけど、塾のやり方が不満で塾をやめようかと思ったことは何度もありました。
みんながいなかったらとっくにやめてたと思う。
何度もやめようと思った。他の塾や家庭教師に行こうかとも思った。
それでもやめなかった理由はただひとつ、
『君たちのことが大好きだったから』
毎週みんなに会うのが楽しみで、
みんながオレの授業で「わかった!」と言ってくれるのが何よりもうれしかった。
テストで満点をとったり、成績が上がってうれしそうにするみんなの顔を見るのがうれしかった。
何人もいる先生の中からオレを選んでくれたことがうれしくて、
みんなをほったらかしにしてやめることなんてできなかった。
塾のやり方が気に入らなくても、君たちだけは担当であるオレが守らなきゃって思った。
でも今思うと授業で勉強を教えながら、勉強していたのはオレ自身で、みんながオレを支えてくれていたような気がします。
みんなの授業の中でオレはいろんなことを学んでいきました。
みんなそれぞれと、たくさんの思い出があります。
きびしく叱ったこともありました。
それでしゅんとする姿を見て、オレはそれ以上に落ち込み、悩んだこともあった。
でも、オレが本気で叱ったのは、みんなのことが本当に好きだったから。
部活や恋愛の相談をしてくれた子もいました。
いいアドバイスはできなかったけど、悩みを話してくれたことがうれしかった。
みんなに共通してたのは、がんばりやなところです。
みんなががんばるからオレも授業に一生懸命になれました。
そしてこれは最近のこと。
オレとの最後の授業で涙を流してくれた子もいました。
授業がないのにわざわざ塾に来てくれた子もいました。
手紙やプレゼントをくれた子もいました。
みんなの心遣いがうれしくて、ほんとにやめるんだなぁって実感がわいてきました。
最終日が近づくにつれてやめたくない気持ちも復活してきちゃったりして。
だってまだオレを必要としてくれる子もいたし。。
でも担当じゃなくなっても、塾をやめても、これだけは変わらないよ。
みんながオレを想ってくれたのと同じくらい、いやそれ以上にオレはみんなのことが大好きです。
オレは今、みんなのおかげでオレは夢を叶えようとしています。
4月から都立中野工業高校の数学教師になることが決まりました。
1年目からサッカー部の顧問もできそうです。
一応、報告ね。
この先オレは赴任先の学校で何百人、何千人という生徒と出会うけど、
個別に授業をしたり、カリキュラムをつくったりするのは一生の中でも君たちだけです。
何年たってもずっと、オレはみんなの担当です。
だから塾で授業することはなくなっても、いつでもオレはみんなの味方です。
君たちのようなすばらしい生徒たちに囲まれて、オレは本当にしあわせでした。
しょっちゅう答えをなくしたり、大事なところで噛んだり、どうしようもないオレの授業を受けてくれたことに心の底から感謝してます。本当にどうもありがとう。
オレはみんなの担当ができてよかったと思っています。
何度も言うけど、オレはみんなが大好き。
みんなは努力の才能と人を大切にする心を持っています。
どうかそれを忘れないで、立派な大人になっていってね。
いつかまた会えると信じてるから、会いたいから、さよならとは言いません。
本当にどうもありがとうございました。
またどこかでみんなと会えることを楽しみにしてます。
