ちょっと真面目なお話をします。
譲渡費を頂く理由はいくつかあります。
ただ「この子を保護するにあたりこれだけ費用かかったんだから払って」という理由ではないのです。
まだ譲渡費を頂かずに猫の保護活動をしていた時の体験談をさせて頂きます。
その1。
学生の女性から「わたしの部屋で猫を飼いたい」と連絡を頂きました。
わたしは「猫が快適に暮らせる環境か視察させて頂きますが宜しいですか?」とお返事すると「お母さんがダメと言いました」と返事が来ました。
猫を飼う許しは得ていたが、わたしを家に入れるのは許さない。
そんな環境も把握できない状態で譲渡する事はできないので、猫の飼養費の話が出る前にお断りしました。
その2。
トライアルをしたいのでケージなど1式全て貸してくれないか、とご連絡頂いた事があります。
何も準備せず人任せに猫を迎え入れたいだけに感じたのでお断りしたのですが、その方は猫用品を揃えられました。
家庭環境もお伺いし、いざトライアルへ…しかし、お家へお邪魔するとご家族にトライアルの許可を得ていなかったのです。
もちろん娘さん(と言ってもわたしより歳上の女性です)とお母様は喧嘩。
わたしはそこで「今回はご縁がなかったという事で」と帰れば良かったのです。今でも後悔しています。
結局、娘さんの意見が通り、トライアルが始まったのですが、そこからがすごかったです。
「猫といえばミルクですよね」「夜うるさくて寝られないのですが」「羽の飾りを壊されました」「わたしは仕事が忙しいので猫を返せません」「引き取りに立会いません」…猫の生態や習性など全く理解していなかったうえ、さっさとトライアルを終了したいと自分勝手な連絡ばかりが届きました。
目玉が飛び出るかと思いました。
引き取り時にはお母様がご対応してくださったのですが、やはり余計な言葉を言われました。
不要になったフード(ペットショップの店員さんと相談して買われたらしいので信頼できるブランドのフードでした)と猫のおもちゃ、爪研ぎを寄付して頂きましたが、ぶっちゃけて言いますけどおもちゃと爪研ぎは「そりゃ猫も使わないよね」と言いたくなるセンスでした…。
猫砂や猫トイレをお持ちのままの事を考えるとまた猫を引き取るのかな、と考えていますが、正直この方には猫を飼養して欲しくないです。
その3。
男性に譲渡した時の話です。
譲渡契約書や身分証明書は全て男性名義。
でも蓋を開けてみれば、彼女さんが猫を飼いたくて引き取られていたのです。
彼女さんからは「猫がトイレを覚えない」と相談がありましたが、彼女さんのお家には先住猫がいるのに、猫トイレを一つしか用意していなかったそうです。
猫のトイレの数は「猫の頭数プラスひとつ」が基本で、多頭飼いなら尚更です。
そして2人は別れ、猫の行方が知れなくなり、わたしは必死に探しました。
ようやく猫の居場所を見つけ、連絡を取ると「新しい彼が猫アレルギーだから手放したい」と言われ、音信不通になる方には譲渡できない(そもそも女性に譲渡していない)という話をして猫をお返し頂きました。
どうでしょうか。
たった3件のお話です。
実際はもっといろんな方からいろんなパターンのご連絡を頂いていました。
なので、譲渡費用を頂くのです。
譲渡費用を支払って頂ける方には「お金を支払ってでも猫を迎えたい意思がある」「猫を飼養するお金がある」という面が伺えます。
もちろん、私が次の子に繋げる費用にもなります。
ここで知って頂きたい事は「わたしは決してその猫にかかった諸費用より多くは頂いていない」ということです。
わたしがプラスになる事はありませんし、プラスにしようとも思っていません。
有難い事に、譲渡費を頂いていない里親様からお気持ちとして何かしら頂いた事はあります。
わたしはこんな性格なので感謝の気持ちがきちんと伝わる言動、表現ができたとは思えていませんが、とても感謝しています。
お金の話はこのくらいにしたいと思います。
譲渡費をただ頂いているわけではないという事が少しでも伝われば幸いです。
譲渡契約書の他の要項については後日またブログに書きます。
それでは、空気清浄機を倒して壊し、ライトニングケーブルを噛みちぎったにゃー君のお写真でお別れしましょう。
