ベーリング海スーパースター列伝 -3ページ目

ベーリング海スーパースター列伝

ディスカバリーチャンネルで放送中の『ベーリング海の一攫千金』に登場する、命知らずのカニ漁師達にスポットを当てたブログです。

広大なベーリング海
およそ260万平方キロに及ぶ世界でも有数の荒海です
そこはカニ漁の危険な主漁場
重い漁具
荒波
厳しい天候はすべて危険要因です
ケガはつきものです
最悪の事故も・・・
不漁に悩む船
装置の故障
ケガ
漁期の短縮が告げられ
残された時間は24時間
いよいよ大詰めです
成功の鍵は水揚げ量と作業スピードです
船長の決断は賭けです
プレッシャーと闘い・・・
リスクを負います
何が起こるか分かりません
一攫千金を狙うレースは続きます


 

ダッチハーバーから北東300キロ
ノースウエスタン号(NW号)は
3日間 そこそこの漁況ですが
終漁まで24時間を切り
戦略の練り直しが必要です

 
悩むシグ。
 
NW号クルー。(左:ノーマン、中:ニック、右:エドガー、見えていないが奥はアダム)
終漁の知らせが遅く、皆怒っている。
まだカゴを投下しきれていない船もあるとのこと。
 
NW号自身、カゴはデッキに残っているし、次のポイントまで移動に4時間はかかる。
すべてのカゴを水揚げすることが出来るのか・・・?
検討の結果、時間がないと判断し、仕掛け済みの50個の引き揚げにかけることに。
 
 
終了間際となるが、60時間働き通しのクルーたちは疲れを隠せない。
いよいよ疲れがピークとなる。
  

サガ号の新人、ジュリアンは操舵室で見張り中に居眠りを・・・
  
撮影スタッフが居眠りから覚めたジュリアンに意地悪な質問を。
スタッフ「居眠りしない秘訣は?」
ジュリアン「そうだな・・・眠くてどうしようもないときは コンピューターを見たり 音楽を聴いたり 頭を動かしたりする」

アンタ、どれもしないで爆睡じゃねーか!!!

ちなみに後のシーズンでも紹介されるが、見張り中の居眠りは、クルーにとって一番の重罪とされている。
自分だけでなく、船と船員全員の命を危険に晒すからである。
発覚すれば、即クビが基本。
彼は船主の息子であったため、その難を逃れたのであろう。
(ベーリング海のカニ漁では、船主の意向が全てである。)

南東220キロ先のラッキーレディ号(LL号)では、足を怪我したケビンが慣れないクレーン操作に手こずっている。
 
怒る船長のヴィンス。
慣れない上に海は大荒れ。
怒っても仕方ないのに・・・。
 
まだそこそこの水揚げがあるだけマシか。

 
その北西190キロではフィアス・アリジェンス号(FA号)が水揚げを急いでいる。
  
カゴの半分は甲板に残ったままだが、再度仕掛ける時間はなく、とりあえず仕掛けてあるカゴの回収に専念している。
  
幸いにも今までの3倍の量が捕れ、新人のエリックも疲れながらもホッと一息。
今までにない好況に、船長のトニーは他の船にウソの報告をした。

他の船長「見通しは?」
トニー船長「カニサラダくらいは作れるだろう」
 
 
 そして終漁まで4時間。

サガ号の船長、ロジャーも追い込みに入っている。
残り15カゴだが、状況は好転せず。
 

港から北東520キロ、シースター号(SS号)のクルーは最後の休憩中。
  
年寄りは結構粘り強いようだ。

その南西240キロのウエスタンバイキング号(WV号)は悲惨な状況。
魚倉の故障や油漏れなど、度重なるアクシデントで出遅れた上に不漁。
 
さらに追い打ちをかけるように油圧ホースが破裂。
 
弱り目に祟り目である。

港から410キロ北東ではNW号が最後の水揚げを行う。

シグはクルーにハッパをかける。

  
シグの読みが見事にハマり、大漁となる。

NW号から南東290キロ、LL号は高さ6mの荒波と戦っている。
その甲斐あって今までにない好漁。
思わずヴィンス船長もデッキへ出て駆け寄って来た。

ヴィンス船長「最高だ!」
ケビン「こんな大漁 初めてだ」 

サガ号で最後のカゴが揚がった。
  

SS号も最後の追い込み。
 

そして終漁時刻16分前に最後のカゴを挙げて完了。
 
魚倉に顔を突っ込んで中を確認するクルー。
「魚倉は満杯だ」
 
ラリー船長「もう時間がないぞ 甲板を片付けて港へ急ごう」
クルー「了解!」
 
水揚げ量は15万ドル相当。
(1ドル=100円計算で、およそ1,500万円!)

SS号から南西210キロ、不運なWV号が最後の10カゴを引き揚げる。
  
ウィリー「ほとんど寝てないよ」
ケン「あと一仕事 頑張るしかない」
ウィリー「ここまで来たらぜいたくは言えないね もう行くよ」
 
そして終漁。
コールマン船長「合計は4496杯 平均の半分だ」 

南西240キロのLL号。カゴはあと2つ。
 
予想に反して大漁で終了した。
 
そして若手のケビンも負傷しながらも、なんとかやり通して見せた。
 
船員とハグするケビン。
少ないクルーで頑張ったので、報酬も多いことだろう。

FA号もそこそこの結果だったが、大型船ゆえに経費が掛かるため、一人あたりの報酬はいつものような報酬は期待できない。
  
 
 
水揚げ量は20万ドル(約2,000万円)だが、経費は高くつくだろう。
トニー船長「結果は期待外れだが 全員無事に家族のもとへ帰れる
ケガ人も出なかった 思ったほど稼げなかったが 漁なんてそんなもんさ
最善を尽くすのみ 悔やむこともあるが それは結果論だ
それに また次がある それは確かだ」
 

その北西100キロ先ではNW号が大漁。
  
上機嫌のシグはクルーに提案を。
シグ船長「最後は坊や(ブラッドフォード)に投げさせてやれ」
  
頑張りが認められ、フック投げをさせてもらえたブラッドフォード。
 
見事成功!

そして最後の1カゴはNW号、というかノルウェー流?と言われている「フレイミング・フック(炎のフック)」でシメる。
  
エドガー「最後の一連は大切なんだ
最初か最後のカゴを取り損ねると 来季が不漁になる」

  
フックに火を着け、ブイに向かって投げるエドガー。
見事成功。
甲板は歓声に包まれる。

  
そして頑張った新人のブラッドフォードの取り分を決めるために彼を柱に縛り付け(笑)、皆で協議。
 
一度も文句をタレなかったということで、売上35万ドル(約3,500万円の1%(約35万円)を受け取ることに。 
19歳の青年が3日半の労働で35万円。
大したものである。

しかしブラッドフォードには、お金より欲しいものがあった。

数日前の乗船時に言われたシグからの一言。

「握手は仕事を見てからだ」

 
そして彼は見事シグとの握手を勝ち取った。


今回の結果は以下の通り
 
ノースウエスタン号:12,086
フィアスアリジェンス号:7,465
サガ号:6,406
シースター号:5,130
ウエスタンバイキング号:4,496
ラッキーレディ号:3,219

NW号がトップであった。


 
80時間という過去最短のタラバガニ漁が終わった。
帰港までの間に甲板を片付け、仮眠を取り、水揚げに備える。

しばしの休息時間、漁師たちの言葉。
 
「一攫千金は楽じゃない」(SS号 ケニー)
「暖かい海で泳ぎたい気分だよ」(SS号 ラリー船長)
 
「この72時間の間 70時間は起きていた」(FA号 トニー船長)
 
「カニ漁の仕事は面白いだけじゃない しんどくてやめたくなることもある」(サガ号 ロジャー船長)
 
「プロボクシングの試合に出た気分だ」(FA号 サム)
 
「大漁に恵まれた時の興奮はしばらく忘れられない
スーパーボウルで優勝した気分だ 最高の気分だよ」(NW号 シグ船長)

カニの加工は持ち込み順である。
一番乗りはNW号。
魚層を開け、カゴにつるして計量。
  
  
当然死んだカニは売り物にならない。
生きたカニのみがカウントされる。
NW号は合計3万5000キロ、クルー1人あたりの報酬は約16,000ドル(約160万円)であった。

 
WV号はポンプの故障のために最低限のスピードで帰港中。
 
その横を北方にいたSS号が追い抜いて行く。
陸揚げは急がないといけない。
魚倉に長くカニを入れておくと、カニが弱り、さらに死んでしまうと体内から毒素が出て周りのカニをも死に追いやるからである。
 

サガ号も水揚げが終わった。
  
総重量で18,111キロである。

そして終漁時刻から64時間後に、不運の船、WV号が帰港した。
陸揚げをすべく、魚倉のフタを挙げると・・・

なんと大半のカニが死んでいたのだ。
  
ウィリー「6年漁をやってるが こんなにカニが死んだのは初めてだ」

そして責任のなすりあいが・・・
ウィリー「(魚倉の)仕切り板を外したせいだと思う」
マイク「(魚倉に腐ったタラを発見し)この腐った魚の周りでカニが死んだ こいつを放り込んだのはウィリーだ ウィリーがナイフで刺して魚倉に放り込んだ」

真偽のほどはわからないが、全てが悪循環のWV号。

コールマン船長「600杯のカニが死んだ 2万5000ドル(約250万円)相当のカニを失ったことになる」



とにかく、漁は終わった。
二人の新人、FA号の42歳のエリック、NW号の19歳のブラッドフォードはともにやり遂げた。
 
船を降り、空港へ向かうブラッドフォード。

  
  
水揚げ→カット→ボイル→箱詰め→調理→皆の口へ。
 

世界一危険な仕事を成し遂げ
報酬と仲間の信頼を手に入れました
漁師たちが船を降りた後
カニは加工処理され国内外へ輸送されます
陸揚げ直後のカニを出すレストランもあります
しかしカニを味わう人の多くは
過酷なカニ漁の実態を知るよしもありません


以上、シーズン1の前半であるタラバガニシーズンの様子をお伝えしました。
内容および文章等、統一されていない表記等あると思いますが、地道に修正していきますので、もし修正個所がありましたらコメント欄よりお願いいたします。

1-5へ続く。