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皆さまはこの寒い中、いかがお過ごしでしょうか?私は外出をしたくないコンディションではありますが、仕事で川崎へ来ております。今日はここへ来るまでにあったことをお話したいと思います。第一京浜を横浜から川崎へ向かっていると、妙な自転車に出会いました。所謂ママチャリでそのパイロットはヒゲもヘアスタイルも自然に任せたものであり、風貌も元々のデザインが判別不能な程に褐色に染まっていました。一番のインパクトは数個の麻袋やビニール袋がママチャリにくくりつけてあり、何らかのモノが入っておりました。鶴見のあたりで信号待ちにて、そのママチャリの紳士にならび、彼の積荷を凝視すると、大量の空き缶が搭載されており、袋の端からは何とも言えない液体が滴りおちています。私はいささか時間があったため、ママチャリの紳士の生態解明をすべく、彼を追いかけることとした。ママチャリの紳士は路上や自販機の横にあるゴミ箱の空き缶を白頭の鷲が獲物を捕らえるかのように備え付けの袋へ缶を入れいった。そのような行為を繰り返していたママチャリの紳士はとある自販機群の路地へ愛車を停めた。彼は路地深くへ徒歩で進攻して行った。するとママチャリの紳士に良く似た風貌であるが、徒歩で麻袋を一つ持った紳士が近づいて来た。彼は一瞬のうちにママチャリの紳士の愛車に乗り込み、多摩川方向へものすごい勢いで走り去って行った。まだママチャリの紳士は愛車の強奪に気付かずに路地奥で空き缶を潰している。程なくママチャリの紳士は路地から出て来て、おそらく苦楽を共にしたであろう愛車の姿はそこにはない。ママチャリの紳士は悲しさが込み上げ、両手いっぱい抱えていた空き缶が手から一つづつ音を立てて落ちていった。街頭の美化を行う彼は殺るか殺られるかの世界であることを垣間見た。空き缶を集めるためには手段をえらばない。私の様な一介の会社員にはないプロの世界だ。もう自転車が盗まれ、もはやママチャリの紳士ではなく、ただの空き缶の紳士となった彼は、気丈にも先程動揺して落とした空き缶を拾い集め、レジ袋へ入れ肩を丸め横浜方面へ歩み始めた。私は元ママチャリの紳士を見送った。彼の背中がどんどん小さくなってゆく。もう彼を見ることは二度とないだろう。またいつの日か彼がママチャリの紳士に戻るまでを願いつつ、私は川崎の街の雑踏へと歩き出した。



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