同じクラスだったE君は、
頭がよく、運動もそこそこできる、明るい人でした。
(下宿してまで入学したからか、部活は入ってませんでしたが。)
ルックスもまぁまぁで、
浅黒い肌に、彫りの深い顔立ちで、
なかなかの男前でした![]()
私が彼をすぐ好きにならなかった理由は、
ただ一つ。
D先輩に夢中だったから。
でも、甲子園の夢も破れ、
間もなく野球部も引退することとなったD先輩は
なぜか当時の私の中で、急速に色あせていったのです。
加えて、D先輩と距離を置こうと努力していたのも
E君を好きになった原因かも知れません。
ひょっとしたら、私は叶わない恋から逃げたかったのかもしれません。
そんなこんなで、1学期末試験の勉強中は、
D先輩を思い出す事よりも、
E君の『バイバイ』という笑顔が脳裏をよぎる回数の方が多く、
妙に楽しい気分で勉強出来たように思います。![]()
期末試験は、台風のように過ぎ去りました。
当時の私は、中の上の成績でした。
試験を終え、清清しい気持ちになった私は、
その夜、D先輩に電話をしました。
「試験勉強、頑張ってたか?!
まさか、ホンマに一回も電話して来んとは
思ってなかったよ。(笑)」
先輩は爽やかに言いました。
久しぶりに聞く先輩の声でしたが、
冷静にいられる自分に気づきました。
先輩への恋心は、消えてしまっていました。
私は、勉強を頑張ってた事、
先輩に何度も電話しようと思ったけど我慢していた事を話しました。
最後、先輩に聞きました。
『夏は終わったけど、私と付き合う気はありますか?』
と・・・。
先輩の返事は、No でした。
私の事はいい後輩だと思っているけど、
付き合ったりしたいとは思えない、
今まで通りでいたい、
そんな事を言われました。
あの時、悲しかったのは、
やっぱりまだ先輩を好きな気持ちが残っていたからでしょうか・・・?
私は、もう一つだけ、質問をしました。
『じゃあ先輩、
私とちょっとでも付き合おうかと思った時はありました?』
優しい先輩は、言ってくれました。
『あったよ。』
私には、その言葉だけで十分でした。
長かった片思いを終わらせる決心がつきました。
私は先輩に、いままでした電話攻撃を謝り、
お礼を言って、電話を切りました。
今思えば、
本当にステキな人でした。
私にとっては、今話題の斎藤君に匹敵する、
ヒーローでした。
後に、野球をしていた人と付き合うこともあったけど、
D先輩のキャプテンとしての姿勢・
野球部員としての姿は、やっぱり最高だったと思います。
あのまま、白黒つけずにD先輩の周りをウロチョロしてたら、
私はもっとマトモな恋愛を歩めたのかも知れません。
歩んでしまった今となっては、
ただの憶測にしかならないんですケド・・・。