とうとう堕ちるだけ堕ちた、先の見えぬ闇には恐怖すら無い。
当然だ、進む先が朧気でも見えるから、その危険、そして息を殺して潜む罠を感ずる。

まるで、成す術なく無防備に無気力に立ち尽くす。その滑稽な姿にはもはや周囲の人々も注意をする事すら無い。

奴は何だ?だからといって知りたい分けでもない、純然たる他人事。

助けは無い、かといって攻撃も受ける事無し。故に死すら無い。
いっそ心臓だけが、その役割を静かに、そっとやさしく終えてくれたなら。