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in your eyes

限りなく個人的な備忘録



 手をつないで体温を感じ香りをかげる距離にいるのに

 

 なんて遠いのだろう


 だらだらと頬を伝うものをあのひとに気づかれないように


 暗闇でそっと拭う



 

“いかないで  そばにいて

 毎日を僕にして”




in your eyes


18時10分@某所



“一緒に行けたらいいね”



って言ってたことが現実になり


この日を迎えた




“今日がこなければよかったのに”とつぶやいた


あのひとの気持ちがよくわかる



私たちはいつも持っていたいのだ


つぎの約束を




in your eyes


17時25分@某所



ホテルの窓から重たげな空を眺める


遠くで稲妻が走っているのが見える


きっとここももうじき一雨くるだろう




あのひとは規則正しい静かな寝息をたてて眠っている




美しいひとだ


このままずっとここに閉じ込めてしまえたらいいのに




in your eyes





23時36分@六本木



経営者Dや友人と食事


飲み足りずにみんなでバーへ


彼らと別れてひとりで入ったバーでかつて寝た男に偶然会い


さらにもう1軒一緒にはしごする



あのひとに会えない金曜日は


楽しくて愉しくて悦しくて


虚しい




in your eyes






21時10分@某所



Wの家に招かれる




“僕はそのうち君に捨てられそうだな”


“まだ拾ってもいませんけど”




コルビジェのソファを買おうと思っていたけれど


Wの家のリビングにあったのでやめることにする




私はこのひとがものすごく嫌いだ


自分がひとを積極的に嫌いになるなんて珍しいことだ


大抵は興味がない人は意識レベルにすら登らないのに




もう次からパーティは断ろう













22時47分@麹町



弁護士と食事



事務所の規模拡大祝いを兼ねて乾杯する


相変わらず事業は順調のようだ



そして順調にこんな小娘にのまれていく様を


わかりやすく示してくれる



“きみがいなくなることが毎日恐ろしくてたまらない”



いなくなんてなりませんよ


まだまだあなたにはやってもらわないといけないことが山ほどある




in your eyes





21時11分@ハイアット



経営者Tと食事



ほぼ初対面に近い私に


よくも恥ずかし気もなく赤裸々に私生活を語るものだ


彼の会社くらいの規模になると、それなりに遊びも派手になるのだろうけど


どの芸能人や歌手とカラオケにいったなどと嬉々として自慢していること自体


自身の評価を下げることに気付かないのだろうか




まぁいい


こちらは事業に利用したいだけだ


分厚い仮面くらいが彼にはちょうどいいだろう





in your eyes





20時18分@渋谷



あのひととゆっくり食事できるのは久しぶりだ


隙間を縫って


週に1度ほんの数時間をともに過ごす




夏の長い夜が明けるまで


ぽつりぽつりと大事に交わしていたいつかの言葉たちは


失われたのだろうか




“ふたりでどこまでもいこう


 もう世界は美しくもないって思う前に”




あのひとも きっと哀しいのだ






in your eyes





28時03分 メッセージ1件




“おつかれさま。


あなたの中に強く刻まれた自分を見るのって


とてもいい気分だ。


まるで産まれ出てからの欠如が満たされるかのよう。


これからも自分を見失うことなくあなたを想う。”