前にも書いたテーマな気がしますが、また最近こみ上げてきたので書いて見ます

若い頃に持っていた高揚感のようなものを失っている自分を強く感じます
自分はまだ何者でもなく、だからこそ何者にでもなれると思っていた感覚
輝かしい未来が待っていると素朴に信じていたわけではありません
実際、就職もせずだらりとすごしていた20代、自分が成功しなかったら中年以降何ができるんだろうと、きっとなにもできないだろうと、だからきっと自分は40代あたりで自殺なりなんなりして消えてなくなるんだろうなぁと漠然と思いながら、それでもまだ無意味な高揚感に包まれていました

その高揚感は多分、つい最近まで続いていました
会社に入って、流れに流れて、それでもやる仕事があって、自分は役に立つ人間なんだと思い込んでいました
海外で仕事したり、旅行したりしていると特に高揚感がありました
俺って選ばれた人間だなぁみたいな感覚です

サラリーマンになって夢をあきらめるみたいなシチュエーションがドラマによくありますよね
30前後くらいのまだケツの青い役者が夢も希望もないみたいな寝言を吐くシーンです
私はそんな風にはならないと思っていました
実際30代も40代もそんな風に感じてはいませんでした
年を重ねるごとに目指すものも変わってきましたが、その時その時の自分に充足感をもっていました

職を失ってもしばらくは高揚感が続いていました
PMはやだなぁ、営業もやだ、安い仕事したくない、俺エリートだしみたいな
一年たって、何とか最底辺のアルバイトを手に入れて、なんとか前の高揚感を手に入れたいと思っているのですがそのつてが見つかっていません

昔のオフィスの前を通りかかって、ふと、その頃の高揚感を思い出しました
同じ風景の中、たった一年しか過ぎていないのに、まったく違っている自分の気持ちに愕然としました

会社員になって夢を捨てるっていうのは、うそだと思います
日本の会社員は、夢を温存する装置なんだなぁと思います
日本では、社会人というのは大人を意味する言葉ではありません
会社とは自立心も独立心も未成熟のまま年老いてエネルギーが切れるまで温存させる装置です
まるで卵が孵化しないようにゆっくり暖める逆孵卵器です

中途半端に自立してから会社に入り、また放り出された私だから判る感覚かもしれません
放り出された私は、あの居心地のよい生暖かさに戻りたくて仕方がありません
これも一時的な感覚なのでしょうか
もしかしたらタバコをやめたときみたいに、いつか禁断症状が切れて楽になるのでしょうか

今日もアルバイトをしています
仕事をしている間は将来とか考えないですむのでとても楽です