【Stupid】
7月にもなったというのに梅雨が明ける様子はない。俺の住む地域だけなのか、はたまた世界中がこの豪雨に飲み込まれているのかは、俺にはわからない。
嫌々ながら通う高校はこの忌ま忌ましい豪雨によって電車が動かないため、しばらく休みになっている。
大嫌いな雨にも感謝せねばならないのかもしれない。
整える事に面倒を感じ、無駄に伸びた髪が湿気のせいか所々跳ね上がっていた。
だが今日しばらくは自宅から出ることもない、そのままにしておく。
俺はやることもなく、壁際に置かれた椅子に腰かけ、タバコを取り出して、それに火をつける。
この国の法律では俺みたいな17歳のガキにはタバコは吸わせちゃいけないらしい。
だが関係ない、やりたい事をやって何が悪いのだろうか。それに誰にも迷惑をかけてなどいない。
国のお偉方はもっと変えるべき事を見極めなければならないと毎日の様に思う。
換気のため、窓を開けようと手を伸ばすが、すぐに視界に入ってくる豪雨により開けられないと判断し、しかたなしに伸ばした手を引っ込めた。
手を引っ込めたのはイイが、何か変な感じが胸に残る。違和感という物だろうか。
普段喫煙する際に必ず開けている窓を開けなかったからだろうか、だがそれを理解しようとしても、できないってことは多分違うんだ。
だが答が見付かる気すらしなかったので、心の中に未だ残る違和感の残響を全身で感じながら肺にニコチンを送り込む。
生理的に息を吐く。
口から出た煙は、すぐ横にある窓へとぶつかり、窓を白く染めながらパラボリックに散って行き、すぐに消えた。
正確には未だ空気中を漂い、壁に染みたりするのだろうが、そんなことはどうでもいい。
物事には事情も大事な場合が多々あるが、こんなちっぽけな事は目に見えて感じ取れる結果だけ知り得れば充分だ。
俺はなんとなく外を見た。雨粒が光を遮り、あまり遠くまで見えないのが残念でしかたがない。
家は二階建ての一軒家、そして俺の部屋はその2階にある。俺の部屋の向かい側にも一つ部屋があるがそんなことはどうでもいい。
俺が言いたいのは、晴れた日にはここらでも綺麗な景色が見れるということ。
不意にどこからか視線を感じた。
俺は視界を下へと移し、家の前にある小さな道を見る。大量の雨粒がアスファルトを打ち付けている中、一カ所だけ雨粒が地面まで届いていない場所があった。
その場所ではアスファルトの変わりに、見たことがない綺麗なセーラー服を着た女の子が雨粒から攻撃を受けていた。
俺と彼女の視線が重なった。