実績上位で仕上がりも絶好とされたビワハヤヒデが単勝160円という圧倒的な1番人気に支持されるのは、いたしかたないところだっ
た。とはいえ、前走の衝撃的なレコード勝ちが印象に新しいネーハイシーザーもその評価は高く、得意な中距離ということもあって単勝430円と、ビワハヤヒ
デに次ぐ2番人気に推された。
打倒ビワハヤヒデ。そんな願いを託されたネーハイシーザーは、そんな期待にこたえるべく先手をとり、絶好の逃げをうった。中日スポーツ杯で逃げてレコー
ド勝ちしたネーハイシーザーの最大の武器は、並外れたスピードと先行力だった。しかし、一方のビワハヤヒデも好スタートを切って、ネーハイシーザーのすぐ
後ろ、2番手につけた。レースは1番人気と2番人気とのマッチレースの様相を呈した。
やがて、直線でビワハヤヒデは先頭を行くネーハイシーザーに襲いかかった。ネーハイシーザーも激しく抵抗し、互いに脚を伸ばす2頭と後続との間隔は、みるみる間に広がっていった。
結局、直線半ばを過ぎたあたりで、ネーハイシーザーは力尽きた。最後はネーハイシーザーを競り落とした形のビワハヤヒデが、みるみる抜け出していったの
である。ネーハイシーザーとビワハヤヒデの初対決は、1馬身半差でビワハヤヒデに凱歌があがった。しかし、ネーハイシーザーが無様な負け方をしたのではな
い証拠に、ネーハイシーザーと3着馬との差は、実に8馬身差がついていた。
「相手が強すぎた」
そういうしかない負け方。それが、後にネーハイシーザーがすべてをかけて戦う宿敵との邂逅だった。