1992年、皐月賞、ダービーと無敗での2冠を達成したミホノブルボンに対して、三冠目の菊花賞を狙うにあたり、主戦の小島貞博騎手よりもっと上手い騎手を乗せたほうが良いのではないかというマスコミの声に対しての故戸山為夫調教師の反論です。
「名馬であればあるほど名騎手を乗せたいのは人情だ。ビジネスの世界でも、失敗できないプロジェクトの責任者は、ヘッドハンティングしてでも有能な人材をあてがう。競馬でも、負けられないとなればフリーランスの名騎手に騎乗依頼するのが常である。
しかし、私は大レースであろうと何であろうと、弟子であり所属騎手である小島貞博や小谷内秀夫を乗せてきた。乗せてもらえないジョッキーの悔しさや悲しさ
を、私自身が騎手時代にイヤというほど味わってきたからだ。とくに、熱心に調教までつけたというのに、いざレースという段になって他の騎手に取って変わら
れるほど悔しいことはない。普段努力した人間が報われないということほど馬鹿げた話はない」
すごく深いです。