ホクトベガの話
ホクトベガはエリザベス女王杯を勝ったりした一流馬である。
当時の牝馬路線は確立されておらず、牡馬との戦いの中で彼女は勝利から見放される。
しかし、そんな彼女にも転機が訪れた。
当初は同厩で史上最強牝馬と謡われたヒシアマゾンが川崎のエンプレス杯に使う予定が怪我により出走を見送ったことにより彼女に出番が回ってきた。
そこで彼女はとんでもないパフォーマンスを見せた17馬身の圧勝である。
この後、ダート路線に照準を決めて連戦連勝を見せた彼女に与えられた名前は『砂の女王』 そんな彼女の引退レースとして選ばれたのは世界最高レースの一つである。
ドバイワールドカップだった。
雨が多かったこの年のドバイワールドカップが集中豪雨によって砂が流されてレースを行う時期が遅れた。
そして、行なわれたドバイワールドカップ。レースは速い流れで進んでいきホクトベガは内の絶好の位置にいた。
しかし、ここでアクシデントが起こる4コーナー手前で一頭が落馬してその煽りを受けたホクトベガも落馬転倒した。
もしかしたら彼女はもう自分が助からないことを知っていたのかもしれない。
その後に来た後続馬から横山典弘騎手を守るために力を振り絞って立ちあがり身を捨ててまで彼女は騎手を守ったのである。
その後の彼女は予後不良となり命を落としている。