元飼育員の競馬大好きな元JKによるお馬さん大好きブログ -105ページ目
- 不向きな距離で、しかも自分よりも100kg前後も重い男馬相手のレースではやはり荷が重い。この敗戦も含めて6連敗したときに、彼女の引退が決まった。
- いまでも忘れられない光景がある。引退の決まったラフォンテースが故郷の北海道へ戻るため、馬運車に積み込まれている。
- それをすぐ脇で岩元がじっと見つめているのだが、ラフォンテースは車に乗り込む瞬間にチラッと岩元のほうを振り返った。
- その時に岩元は少しにじんだ目で、ほんのかすかに首をコクリと動かしたように見えたのだ。
- 岩元とラフォンテースは騎手と競走馬の垣根を超えた信頼関係で結ばれていたんだろうな、と僕はそのとき思った。
- そしてそれ以上にラフォンテースはもしかすると、3年間の現役生活の苦楽をともにし、ずっと側に寄り添ってくれた岩元に、本気で恋をしていたのではないか、とも思った。
- なぜなのか、 と聞かれてもはっきりした根拠があるわけではない。でもなんだか知らないけれど、たしかにそう思えたのだ。
- 馬が人間に恋をするというのは、馬が自殺をするというのと同じくらい無理があるかもしれない。でも牧場に帰ったラフォンテースはなおも岩元のことを想い続け、そしてついにいても立ってもいられなくなったのではないだろうか。
- もちろん彼女の死の謎は、永遠に謎のままだ。ただここでもうひとつ書いておきたいのは、彼女のぶつかった牧柵は栗東トレセンの方角にあった、ということである。

