アメリカでは、おつりの計算の仕方が日本と違うことはご存知だと思います。日本では引き算、アメリカでは足し算。例:4.85ドルの代金に対して5ドル札を出して払った場合、5セント玉をくれて90(セント)と言い、次に10セント玉をくれて、5ドルにします。要するに、商品代金+おつりを、支払われた額と同じにしてくれます。これは計算の得意不得意とは関係なく、単に考え方の違いでしょう。


しかし、計算の苦手そうなキャッシャーに会う確率は、アメリカでのほうが圧倒的に高いです。1ドル78セント払うために、1セント玉が欲しくなかったので、1ドル札2枚と3セント出したら、キャッシャーが??という顔をしていたことがありました。レジに入力すれば機械が計算してくれるのだから、考えてくれなくてもいいんですけどね。そういう時には、「クオーター(25Cent玉)が欲しいんです。」と、こちらから説明することもあります。


先日、セールのソーダを買った時は、たいへんでした。普段は1ダース5.99ドルのものが、3ダースで10ドルだったので、買いました。ところが、レジではセールの値段が反映されていなかったので、そのままカスタマーサービスに直行。カスタマーサービスの方は、最初、その特定の種類のソーダはセール除外なんじゃないかと言っていましたが、いろいろ調べて、セール品だということを確認しました。私は、急いでなかったので、全く気を悪くしてはいませんでした。ただ、「セールじゃないなら返すから返金してください。」とは言っていました。その人は、間違いがあって悪かったから、もちろんセールの値段にした上で、1ダース分は無料にすると言いました。ただ、「自分は計算が苦手だから。。。」とぼそっと言うので、私は、「いや、セールの値段にしてくれればいいだけだから」と言ったのですが、彼は計算をはじめました。私は年とともに暗算能力は衰えたとはいえ、計算は得意です。代わって計算してあげたかったけど、そういうわけにも行かないし。彼が5.993倍して、17.97と書き、次に10と書いたときは、ほっとしました。ところが、ところが、彼はそこからどうしていいか分からなかったようなのです。うーん、うーんと頭を抱えていました。私はもう一度、「セールの値段で本当にいいから」と言ったのですが、彼は1ダース無料にするために考え続けていました。しばらく、この辛い状況が続いた後、彼はどこから出てきたのか知らないけれど、11ドルちょっとの数字を持ってきて、17.97と何か計算して、わけのわからない額を私に返金してくれました。(“10”はどうなったんだろう。)私は、とにかくホッとして、計算はおかしいけど「ホントにありがとう!」と言って帰ってきました。