幹事1号です。私は、試験を受けていませんので、代わりに、法廷傍聴をした感想などを少し。
アメリカの裁判を傍聴していて、真っ先に気になったのは、速記官(コートリポーター)が法廷のすべての会話を記録していたことです。日本では、速記官は、証人尋問しか記録しません。そのほかに法廷で起きたことは、書記官が記録しています。例えば、法廷で裁判官が下した決定とか、当事者が弁論したことなどは、すべて書記官が法律的に意味のある部分だけ要約して記録することになるわけです。これが、アメリカでは、裁判官や弁護士の言ったことを逐一そのまま記録しています。私としては、これがアメリカにおける口頭主義を担保しているものではないかなあという気がします。日本だったら書面で出すようなことも全部口頭でやるわけですから、それを逐一記録してくれる人がいないとどうしようもありません。実際、こちらの弁護士はよくしゃべりますよね。ロースクールの授業でも、生徒がよくしゃべることに驚かされましたが、その辺りは文化の違いなのでしょう。
そのほかにも、刑事事件で、日本であれば、被告人は、弁護人の前の長いすに座ることになるのですが、アメリカでは、弁護人の隣に座っていますので、最初、誰が被告人なのかよく分かりません。被告人が勾留されているときでも、被告人は弁護人の隣に座ることができるというのも、知ってはいましたが、新鮮な光景でした。日本であれば、2人の警官が被告人の両脇に座ってがっちりガードしているのですが、アメリカでは警官が一人被告人の後ろに座っているだけでした。もっとも、もっと厳しい警備が必要な事件では別なのかもしれません。