1 支配系の母親の場合、子にも強い子であることを求めがちであるため、子は弱い自分を心の奥底で嫌っています。

 

 

なぜなら、弱い子であることは、母親から拒絶されたり叱られる、詰られることを意味するからです。

 

 

だから、子は、自分では気づかなくても、強い自分でなければ存在してはいけないという強い恐怖とセットになった脅迫観念から派生する不安に行動をコントロールされています。

 

 

弱い自分を根拠づける事を目にすると、その不安と恐怖により反射的にその事実を内心から否認しようとします。

 

 

 

 

2 支配系母親に幼少期からコントロールされてきた人は、大人になってからも、母親に逆らうことは容易ではありません。

なぜなら、母親を前にした時の恐怖や、逆らった場合に後でどういうことになるかという不安が強烈に蘇ってくるからです。大人になって本来の力関係が逆転していても、そういう理性的な判断を吹き飛ばすほどの強烈な恐怖と不安が脳や体を一瞬のうちに支配してしまうからです。

 

 

だから、大人になっていざ逆らおうと思っても、一足飛びに、完璧に母親に逆らうことなどおそらくできないでしょう。

徐々に少しずつ進めていくよりありません。

 

 

しかし、もういい歳してんのに、母親とはいえただの老人女性に委縮してしまう自分を恥ずかしいと思ってしまうかもしれません。

 

 

3 ここで母親に逆らう経験を積むために注意する必要があるのは、1と2が対立してしまうのです。自家撞着といえるでしょう。

つまり、1弱い自分はダメ、2でも、母親に逆らえない → 母親に逆らえない自分は弱いからダメ

 

 

このように自己嫌悪に陥ってしまうと辛いですし、逆らうことに億劫になってしまいます。

「逆らってみよう。でも丸め込まれて上手く逆らえなかったら自己嫌悪でものすごく辛い思いをする。」

 

 

こうなると、結局母親に逆らうという試みをしないまま時間だけが過ぎて行ってしまい、結局、母親の設定した狭い枠の中で人生を消費してしまうことになりますが、それはもったいのないことです。

また、母親に逆らえないということは本人は気づかなくても内心不安を抱えて生きているということになります。

意識下では母親の命令に従っているので、真の自信が生まれません。

子どもが居れば、その子にもその影響が伝わってしまいます。

 

 

 

4 注意点

 最初の頃はうまく逆らえなくても仕方のないことです。

 また、何歳になっても、支配系母親に人生をコントロールされてきた人にとって、母親が最大の強敵であることはごく当たり前の生物の仕組みですから、怖れてうまく逆らうことができなかったとしても、自分を責める必要など全くありません。

 逆らおうとする姿勢、一歩踏み出すことが非常に重要ですし、逆らってみて「もっとこう言えば良かった」とか反省点が後から出てくるでしょうが、それでモヤモヤしてきたら、ノートに書いて整理して、またバトルを挑めばいいのです。

 逃げても追撃しましょう。押しかけましょう。

 

 それぐらいのことは、遠慮するかもしれませんが、何でもありません。

 

 この自家撞着がネックになると思ったので、注意点として記します。