【概要】

 納車してから乗ったシフォン(タントOEM)、その基本性能の高さにびっくり。

 個別に紹介したいところは山ほどあるのですが、まずはベーシックから。

 

納車直後の驚き

 15年近く、ムーヴに乗ってきてからの乗り換えだったわけですが、実は今回、試乗はまったくしていませんでした。

 理由は主に2つあって、まず試乗してから決めるほどの選択肢がそもそもなかったこと。乗り心地の違いで選ぶという余地がそもそもなかったわけです。

 そしてもう一つは、まあしょせん軽自動車だし、何十年も乗ってきたのだからどの程度のもんかというのは見当がついてる。わざわざ乗ってみるほどのこともない、と高をくくっていたことにあります。

 ところが、納車されて、走り始めてすぐに、ほんとに、数百メートル走っただけで、驚愕することになります。

 「な、なんだこれ。軽自動車なんかじゃない。高級車!」

 インテリアの高級感が、半端な普通車以上というのは見て分かるし、それがタント選択の一つのポイントになりました。見比べているうちに、どうしても他の車種やグレードが、『いかにも軽自動車』としか感じられなくなったという点です。もちろんその基準で言えば、乗り換える前のムーヴとて同様の、まあチープさというか、それは免れないところでした。

 それと、安全性能を中心に、さまざまな装備の充実というのは、実際に使ってみてどうかはともかく、前のムーヴがエントリグレードだったこともあり、その違いについて知識としてはおおかた頭に入っています。

 走り出して驚いたのはそんなところではなく、車としての最も基本的な部分。サスペンション、防音性能、ロードノイズ、エンジンの静粛性、加速などの走行性能。どれをとっても、高級車としか言いようがない。

 走り出した瞬間に覚えた驚きは、40キロ近くある自宅までの道のりを走行するにつれ、ますます大きくなる一方。たしかにエクステリアの高級感は大したものだし、かつての倍くらいの価格にもなっているのだけれども、物理的なサイズを始めとして、さまざまな制約のある軽規格、基本的なメカとしての車両性能は、がんばったところで知れているだろうと勝手に思いこんでいた自分の不明を自覚することになりました。

 

(おそらく)ここ10年で起きた軽の進化

 私は結婚前はスカGに乗ってましたが、結婚直後は車なし。

 その後、一年半ほどして初めて買ったのが、前回の記事でも取り上げた、マツダ(オートザム)のキャロル。これは車体・エンジンはスズキのOEMでしたが、ボディは別物のデザインで、それなりの個性を出していました。

 当時は、神戸市東部で駅から徒歩数分のところに住んでいたので、車はしばらくなくていいと思っていたのですが、たまたま妻と散歩していて、中古で展示されていたキャロルの可愛さに、二人して一目惚れ。この中古車は550ccのモデルでしたが、軽規格改正で排気量が660ccに、サイズも少し大きくなった(長さが10cmだけ)直後だったので、オートザムで新車を買うことになったのです。

 まあはっきり言って、普通車とは比べるべくもない狭さ、非力さ、乗り心地の悪さで、それでもそれまでの550ccよりは余裕もでき、軽でもバカにしたものじゃない、と、満足して乗っていましたし、ディズニーランドにもこの車で行ってきたりもしました。ただし、80km/hから上の加速は、マニュアル車でも信じられないくらい悪く、この速度でリミッターが付いているのではないかと思えるほど伸びませんでした。もっとも、この頃は衝突安全性能の問題もあって、高速での軽自動車は、上限80でした。軽自動車への虐待はひどいもので(笑)、速度超過してなくても、追い越し車線に出ただけでパトカーから警告を受けたりしたほどでした。これが普通車と同じ100km/hになるのは、1998年10月です。

 当時は、軽自動車でビール会社の営業に駆け回る親友がキャロルのワイパーにインターバルが付いているだけで驚き、幾多の偏見にめげず自家用として軽に乗っている若者と道路ですれ違うだけでお互い共感を覚えるような時代でした(遠い目)。

 

 事情があって、キャロルとはわずか3年でお別れになりましたが、この時には、車なしではちょっと不便な場所に引っ越していたこともあり、すぐに次の車を購入、これも軽自動車。それからこれまで、キャロルと今回のシフォンを含め、通算で5台、35年間軽自動車を乗り継いできました。

 この間の話は、長くなるので気が向いたら改めて記事にしたいと思いますが、この中で最も長く乗ったのが最後のムーヴ。2009年モデルを約15年乗って、26万キロ以上走ったわけです。

 そして、愛車がムーヴだった間に、15年とは言いませんが、おそらく最後の10年くらいの間に、軽自動車というジャンルの車は、なまじ乗り慣れた人こそがびっくり仰天するほどに進化していたようです。

 

その後も続く感動の連続

 もちろん、これは軽自動車に限ったことではないでしょう。多分、ここ十年かそこらで、軽自動車からコンパクトカー、ミニバン、SUVの乗り心地は、同様に驚異的に上がってるはずです。しかし、その中でも、やはり軽自動車という限られたサイズと価格のハンディを考えると、驚異的です。

 事実、最近目にした記事では、ある自動車評論家が、いくつかの最新の軽自動車で、東京から九州まで千キロ超の距離を走行するという実走評価をしていましたが、この評論家いわく、もっとも下位の車種、グレードのものですら、平成前半の頃の高級車より乗り心地が良く、疲労も少ない、と。

 ムーヴに乗り始めた2009年でも、高級車はおろか普通車にも匹敵するとは到底言えませんでしたから、ほんとうにごく最近、一気にクオリティが上がったということで間違いないでしょう。

 

 そして、その後も、さまざまな点で、現行モデルのシフォン(タント)の凄さを目の当たりにすることになります。これらの大半は、実際に購入してオーナーとなるまで、期待すらしていなかったことばかりです。

 せっかくのブログなので、今後、それぞれの内容について、個別に掘り下げていきたいと思っています。

 個人的な趣味や嗜好の問題だけでなく、オーナーの方々に役に立つ情報も提供できる見込みです。