空を切る風

それほど冷たくなくなった




ゆっくり



小さな背中が
だんだん小さくなっていった




重ねた手が冷たくなって



小さなつま先おぼえている




まだ、聞こえるような呼び声



空っぽになった屋根の前
声をかけても出て来ない
手を伸ばしても空を掴むだけ


やっぱり
君のいない世界は物足りないよ?
君と並んで歩いた小道
よろけた君を支えた段差に
風で揺らぐ鎖
まだ ダイジだっていえない気持ち



君のかわりは居ないんだ
何で埋めようとしても君の形は空いたまま
他の栓では、だめ。
塞げない




あのとき
空を見上げて何を思ったの?
何を写さないのも知っているけれど
訊いてみたかった
古い写真から、いとおしいカタチ切り抜いた

残った切れ端に意味なんて感じない
ただの空っぽ
すり抜ける風に置いてかれて
ひとり散歩道