戯れ言ファクトリィ。

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戯れ言、嘘、作り話…世の中の取るに足らない空想を、取るに足らない猫が集めてみました。
どうぞ、ごゆるりと。

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怖い話を、知りました。

内容はまったく覚えていません。誰から聞いたのか、はたまた何から呼んだのか、それすらも覚えていないんです。

それはまるで穴の空いた麻袋に砂を流し込むようで、頭に入る先からさらさらとこぼれ落ちてゆく。

それでも恐怖の魔手は私の背中をざらりと撫でて、言いようのない不安を残していくんです。

それからというものの、天井の染みや片眼の猫や、また街行く人々の視線のその先に、底知れぬ闇があるような気がして眠れない。

けれどある日、私は自分の部屋を見渡して理解しました。

先を円い輪状に結った、天井から下がる長い縄。

私は、自分が怖いんですね。
空が紅い。

けれど、夕陽の紅とか、そういうのじゃ断じてない。

夕焼けの空なら誰でも知っている。はっと目を引く朱色に紺碧の闇が溶け込んで、その間を淡いすみれ色がえもいわれぬグラデーションで染めて。そこに大粒のダイヤモンドを放り込んだように一番星が光っている、あの空だ。

あれはそういうのじゃ断じてない。

例えるならばそうだ、柘榴のようにみずみずしい紅に、一滴だけ黒を垂らす。

有り得ないようでどこか怪しげに心を惹く、世界の終わりのような色。

そうだ、思い出した。

まるでそう、血のような紅だったんだ。