『小説あります』
門井慶喜著
光文社
¥1575(tax in)
ISBN:9784334927707
ある日突然遺書を残し失踪した
稀代の小説家・徳丸敬生。
残された家はN市立文学館となる。
本書は、その閉館問題を軸とする。
それと同時に、
文学館職員である兄・郁太と、
文学館を買い取り
料亭にしようとする
老松商事社長である弟・勇次との
兄弟げんかの物語でもある。
郁太は、とある古書店で、
「サイン入り」の
徳丸敬生「遺稿集」を見つける。
明らかな偽物と思われる
この本の真実が、
物語への大きなスパイスとなる。
また、この本には
「なぜ小説を読むのか」という
ともすれば一生の謎とも言える
壮大なテーマがつきまとう。
兄弟げんかの方法が
殴り合いではなく、
このテーマで兄が弟を説得できるか
そこにあるからである。
果たして郁太は、弟を説得し、
文学館を存続させる事ができるのか。
また、「なぜ小説を読むのか」に
郁太が出す答えとは?
ハッキリ言って、
この答えに納得できるかによって
本書への評価は大きく変わるだろう。
またそれは
万人に受け入れられる答えでは
決してないだろう。
ただ、私にとっては
大いに納得できる答えだった。
あなたにとってはどうだろうか?
