円高とダ・ヴィンチの時代のお金 | レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

レオナルド・ダ・ヴィンチのノート

万能の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチの活躍を紹介していきます。

今週また円高防止のための為替介入を行うらしい。
ドルの下落のおかげで円高になり、日本の輸出企業の株価が下がってしまったのを助けるのが目的。
先日の大規模介入では1ドル82円から一気に85円まで押し上げたが、次はどうなることやら。

現代の為替のルーツは13世紀の北イタリアに発するらしい。両替に伴う貨幣運搬の危険性を避けるために公証人を間に立てて支払いを取り決めた公正証書を作成させたのが始まりとされている。

レオナルド・ダ・ヴィンチが生きたルネサンス期のイタリアでも、様々な通貨が流通していた。ダ・ヴィンチのノートの中でも「リラ」や「ドゥカート」「フィオリーノ」等が登場する。

レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯(チャールズ・ニコル著)によれば、当時のイタリアでは「フィオリーノ金貨」「ドゥカート金貨」「スクード金貨」「ジュリオ金貨」など、各地方独自の通貨が発行されており、フィレンツェのフィオリーノ金貨とヴェネツィアのドゥカート金貨はおよそ4リラに相当した。

15世紀後期のミラノでは、1リラで4人家族の世帯が一ヶ月に食べるパンをまかなうことができた。
同じく1リラで買えるものは、子牛肉5キロ半ほど、地元のワイン20本、燭台用の蝋1キロ強、贅沢品だった砂糖なら半キログラムといったところだそうだ。
仮に地元のワインを1本1000円とすれば1リラは2万円相当になるので、単純に現代の円に換算するとこのようになる。

上等の乗馬の値段は40ドゥカート(=160リラ)→つまり320万円。
フィレンツェの建築現場で働く職人の月給は2フィオリーノ程(=8リラ)→16万円。
共和国政府の上級官僚の月給は11フィオリーノ程(=44リラ)→88万円。

1490年代にレオナルドはフォリオ版600ページの数学書を6リラで購入→12万円。
緑のビロードで装飾された銀色のマントを15リラで購入→30万円!

レオナルドはお洒落にも相当お金をつぎこんでいたらしい。