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伊藤詩織さんのあの事件の手記。
買った日に一気に読みました。
読んでる途中で眠る時間になったけど、あまりの内容に気になって眠れず、諦めて読み切ってからようやく眠れたので睡眠不足・・・
時間がある時に読み始めるといいかもしれませんね。
でも、少しでも早く多くの人に読んでほしい本です。
2015年、ジャーナリスト志望の詩織さんが当時の仕事上の知り合いで安倍総理に懇意なジャーナリスト?の 山口敬之 にレイプされ、警察に訴えて逮捕寸前に、刑事部長の 中村格 の命令で逮捕状が差し止められてしまいました。
「レイプは魂の殺人」という彼女の言葉が本当によくわかる痛ましくもおぞましい体験。
身体的にも精神的にも後遺症が残るほどの傷を負って、何より起きてしまった事実に死ぬほど苦しんで・・・
実際、自殺してしまう人もいるくらいだから、人殺しも同然の重罪ですよね。
なのに!証拠もあるのに!犯罪者が起訴も逮捕もされずのうのうとしていられるとは!
日本は法治国家じゃなかったんですね。
権力に近ければ何をしても罰せられることはなさそうです。
この場合はレイプだったけれど、もし本当の殺人だったとしても揉み消されるのでは・・・!?
この話を家族2人にしたら、2人ともその事件自体を知らなくて・・・ショックでした。
こんなこともあったのに、何故また安倍自民が過半数を占める選挙結果になってしまうのか!と憤慨していたけれど、そもそも知られてなければ、それも正しく伝わってなければ、どうしようもないですね。
本当にどうしたものか。
この本でわかったもうひとつのことは、日本の恐ろしい実情。
日本は治安が良くて安全と言われてたけれど、性犯罪に関しては全くそんなことはないようですね。
被害に遭っても警察も病院もホットラインも、公的な所はどこも頼りにはならない。
もしかしたら、中には力になってくれる人がいるかもしれないけれど、制度的には全く不十分で遅れている。
一体どれだけの人が泣き寝入りしているのかと思うとゾッとします。
思い起こせば、自分自身も危なかったことが数回はあるし。
そこまででなくても、今思い返して腹立たしいのは就職したてのまだ未成年だった頃、職場の中年男性に近くであったレイプ事件のことを教えられて、そんなことがあっても黙ってた方がいいと言われたこと。「気持ち良かったわと思うかもしれないし」と・・・!?
セカンドレイプを避ける為にも、という親切を装ってたけど、結果的にはまだ右も左もわからない若い子をそんな風に誘導して、暴力被害にあっても女性が泣き寝入りをさせる風潮を作ってるんですね。吐き気がしそう!
そして一向に犯罪も被害者も減らない。
またも日本が後進国と思わざるをえない案件が・・・残念なことです。
安倍政権のせいだけでこうなったのではないけれど、改善していくのがますます遅れるというか、むしろ酷くなるでしょう。
こんなに一般庶民から離れて、弱者を虐げて平気な政権の下では先は暗いとしか思えないですね。
でも、こうしてとてつもない勇気を持って告発できる女性が現れたのは一筋の光明です。
バッシングも誹謗中傷も覚悟の上で現状を伝えてくれた詩織さんには、本当に感謝です。
本人には悪夢としか言い様がない事件だけれど、これをきっかけに少しでも犯罪の実情が広まって少しでも社会がいい方向に向かってくれれば、と願います。
この政権下ではとても困難だけれども!
