地方自治体の若手技術系職員の実態
中核市の技術系公務員として15年ほど働いています。北田です。
まず、はじめに…
私の自治体の技術系職員の人材不足の実態について話をしたいと思います。
技術系といっても非常に多くの職種があります。
土木・建築・林業・電気・機械、ナドナド
私がここで話するのは、土木・建築系。いわゆる建設部局です。
採用状況 →定員割れ
【カ コ】
約15年前、私が就職試験を受けた時は、今と完全に逆。買い手市場でした。リーマンショックのあおりも受けてた時です。
(当時の私の職種の場合 募集枠 若干名に対して、5〜10人は受けています)
また、募集も毎年あるかないか分からない感じでした。
【ゲンザイ】
ここ数年、私が住んでいる市・近郊の市町・県は技術系職員の人材確保に向け
ここ数年一定数の募集をしていますが、
完全に売り手市場で、毎年の募集人数に対して採用人数が下回る、
いわゆる定員割れ状態が続いています。
ホント公務員って人気のない職業だなーとつくづく思います。
それだけ技術系職員の人材不足が顕著です。
組織は、そうなると…
「欠員」という形で次年度の4月を迎えます
業 務 量/ヒト →増加
【業務量】
年間の業務量は、部署毎にバラツキがあります。
これは、よく言われる「異動ガチャ」ってやつですね。
ただ、役所全体としては、
_アフターコロナ
_施設の老朽化と長寿命化
_災害対応
_住民ニーズの高度化と多様化
で業務量が増加の一途を辿っています。量だけではありません、求められる質も。
「業務」や「マネージメント」
この辺りについては、公務員から転職された方々がたくさん書いているとおりですが、
私も思うところが多いので、別の機会にお話します。
【ヒ ト】
さて、肝心の「ヒト」ですが、
募集定員割れで「欠員」という形で毎年迎えると、若手が少なくなるわけです。
さらに、これに追い討ちが…
20代半ば〜30代半ば中堅職員の超早期退職者の増加です。
(これは、特に国のキャリア組の人材の方が大変だと思います)
見事な技術系職員の年齢別ピラミットが形成されていきます。
そして、「業務量/ヒト」が増加したときに、組織はどうするか。
できる(業務をこなす)人材
→業務が集中
上司は仕事を受けて、自分の部署を回す(というか仕事を担当に割振る)ことになります。
その時、特に難度が高い仕事や誰もやりたがらない仕事を
誰に任せるかというと、
_文句をそこそこ言わない人
_頑張る人
_実績のある人
_一定以上の才能がある人
こんな感じになるわけです。できる人が多重労務に陥るわけです。
でも、公務員というのは…
何をしても給料は一緒
→モチベが下がる
一定の人事評価はありますが、
そりゃ、どれだけやっても周りと給料一緒だったら、できる人材のモチベ下がります。
そして組織としては、
不思議なことに、何も変わろうとしない。
それどころか、ひどいところは…
_「そんな残って、家族大丈夫?」_「社畜だね」_「働き方考えたらどう?」
って組織から揶揄されることもあります。不思議。
これが、地方自治体の技術系人材の実態です。
(言い切りましたが、そうじゃない組織もあると思います。どのくらいか知りませんが)
彼らは、できる(業務をこなす)若手・中堅職員を欲しがっています。
ぜひ、公務員を目指している方がいたら、
ここ数年は狙い目です。確実に売り手市場です。