マスクした女性が店に入ってきた。
「いいですか?」
「どうぞ、お近くですか?」
「はい。」
もしや…?
マスクを取った彼女は
30年来の友人のキャロライン(日本人)
だった。
彼女とは半年ぶりだったか。
髪を短くしていたのですぐに
わからなかった。
親しい友人やお客様には
6月から少しの間休業すると
お知らせしたので
今月中に来てくれたのだ。
彼女はこの2.3年の内に
足や肩のケガ、
その後も大きな事故にあい
顎や肩等を大きく痛めたのである。
毎日のリハビリの努力で
週に何度か仕事に行けるところまでに
なった。
彼女と私はここ13年ぐらい
たくさんの悩みを抱えていた。
お互いにあの頃は苦しかったねと
ねぎらい、「あの頃は離婚のことしか
考えてなかったな。10年ぐらい夫と
会話をしなかった。」という彼女は
今、
夜は夫の店を手伝い、
家族でお店をキリモリする
素敵な女将になっている。
来月から北海道に行くことを
彼女に言うと
すごいねー✨と。
いやいやまだ行ってないし。
彼女は「まだ完治してないから
思うように動けないのと、
最近少し暗い話が多かったから、
こんな励みになる話が聞けて
勇気もらったわ。私も治ったら
またいろんなチャレンジしたいな」
と。
素直にうれしかった。
自分の報告で励みに
なってくれるとは。
キャロラインは野心のある真の通った
優しい女性だ。
完治したらきっと羽をばさつかせ
のびのびと羽ばたくだろう。
しかし私からみたら
キャロラインはすでに一つ
大きなチャレンジを見事に
こなしていたのだ。
ケガの辛さと家族との距離を。