実際にあった話になりますが、
1人の営業マンが、古屋付きの土地を受託し、分譲業者に販売する仲介をしました。
土地の所有者の売主様からは、以前親と同居していたが、その親が亡くなり、自分も引っ越して今はもう利用する予定が無いから、売ってしまおうという理由で受託をしていました。
契約も終わり、解体作業に入る際に、売主様は地元の風習ということで、御祓いを依頼されていました。
測量も終わり引渡し・決済を終え、分譲業者の販売会が始まりました。
仲介をした営業マンは、大型案件を終え、ホッとしたと同時に次の案件に取り組んでいました。
しかしその1ヵ月後、分譲業者の営業マンから仲介業者の営業マンに1本の電話がありました。
「ウチの分譲地を検討しているお客さんが、近所の人から、以前、この土地に住んでいた方が階段から転落して、大量出血して亡くなり、なおかつ1週間くらい発見されずに警察が来ていたという話を聞いたらしい。お客さんは購入を躊躇している。知っていたんですか?」という内容でした。
仲介の営業マンは寝耳に水な話。売主様からはそんな話は一切聞いていない。
すぐに売主様に確認をすると、事実だということが判明した。しかもそれが3年前の事故であり記憶に新しい事故であった。
この場合、仲介業者、売主としては、買主への「告知義務」が生じるかどうかの問題になる。
すぐさま宅建協会に確認をすると、あくまでも不慮の事故であり、自殺や殺人とは意味合いが違ってくる。
なおかつ建物内で亡くなっているが、その建物はすでに解体されているので土地に告知義務は及ばない。という見解であった。
しかし最後にこう付け加えた。「あくまで告知義務に明確なラインはありません。購入される方の感じ方によっては後々トラブルになる可能性があります。業者としては一言伝えておくことが、無難でしょう。」
売主様にとっては自分の親が事故で亡くなったことはおおっぴらにはしたくない話。そのような心情は配慮してあげなければいけないし、購入した分譲業者にとっては、売れにくくなるという不幸な話。
分譲業者からはその事実が最初からわかっていたら購入を見合わせたかもしれないと、ねちねち言われる。
そんな物件を仲介した営業マンの心中は察することができるでしょう。
仲介業者はいつもトラブルと隣り合わせ。
人よりも心配性、用心深い人間くらいが良いと言われるのはこのためです。
事故物件、心理的瑕疵物件の線引きがしづらい事例でした。