1.先週は…
先週は、バトンのマクラーレン移籍報道に端を発した一連の報道により、我々ライコネン・ファンは一喜一憂 させられることとなりました(スイマセン、そのような醜態を晒したのは僕だけです)。
マネージャーであるロバートソン親子のコメントが断片的に伝わる為、一貫性がなく聞こえることや、それらが日本に入ってくるにあたり、それらを取り上げるメディア間によって時間差がもたらされる為、時系列には報道されないことが更に拍車を掛けました(度々、スイマセン、拍車を掛けられたのは僕だけです。聡明なる某女学生さんのブログで啓蒙 されました。)。
2.行間に含蓄の多い一連の報道 ~それぞれの思惑は~
現在までの一連の報道を時系列に整理すると、以下の通り、という感じでしょうか?
① 2010年におけるF1活動休止(スティーブ・ロバートソン)
② ライコネン、心はもう世界ラリー選手権(デビッド・ロバートソン)
~番外編「ライコネン、ブラウンGPとの契約確実」(某ブラジル紙)~
③ メルセデスGPを検討か(スティーブ・ロバートソン)
④ メルセデスGPとの交渉を否定するライコネン(ライコネン)
⑤ ライコネンのWRC移籍先が浮上(ペーター・ソルベルグ等)
⑥ シューマッハがメルセデスで復帰する可能性は十分にある(エディ・ジョーダン等)
⑦ メルセデスGP、バトンの後任探しは急がず(ロス・ブラウン)
「彼は私の電話番号を持っている。彼はいつでも私に電話することができる。」(ノルベルト・ハウグ)
しかし、あの某ブラジル紙の記事は何だったのでしょうか?第2次大戦における欧州戦線終結直後、アルゼンチンで「わが国にヒトラーがU-Bootで脱出してきた!」との報道がなされ、警察や軍隊が出動、アメリカからもCIAが調査に来たことがあるそうです。南米のマスコミにはあの「東京スポーツ」も真っ青 です。
閑話休題…本題に戻りましょう。
それにしても、これらの記事の行間には含蓄が多く、色々な予想(妄想)を掻き立てられます。
メルセデスGPはすでにニコ・ロズベルグと契約を交わしている模様です。従って、残るシートは一つということになります。当然、ブラウンGPは2期連続のチャンピョンシップ獲得を狙っているので、ワールド・チャンピョン獲得経験者が欲しいはずですから、現在シートの確定していないライコネンと、何度も復帰が囁かれてきたシューマッハが候補としてメディアを賑わしています。
そこで、1)メルセデスGP、2)ライコネンと3)シューマッハ、 それぞれの立場を中心に予想(妄想)していきたいと思います。
1)メルセデスGP
メルセデスGP自身のコメントは、「バトンの後任探しは急がず」(ロス・ブラウン)と実に素っ気の無いものです。
理由は、①残るシートで魅力的なものはメルセデスGPのみである、②高額な年俸要求に応じるつもりはない、③ロス・ブラウンとノルベルト・ハウグの主導権争い?、が挙げられるかと思います。
① については、ロス・ブラウンが「われわれの空きシートは市場の中でも最も魅力的だと思っている」と言ってい る通り、メルセデスGPにとっての選択肢も二人のドライバーに絞られるのと同様、二人のドライバーにとっても優勝争いができる可能性の高いシートはメルセデスGPのみとなっています。
② については、①を理由に、高額な年俸要求を掲げるライコネンやオファーをすれば確実に高額となるであろうシューマッハに自らが獲得に動く必要がない、ということなのでしょう。
③ については、僕の想像の域を出ないのですが、以下の通り邪推する次第です。
一連の報道によれば、ライコネンの獲得に積極的なのは、以下のコメントの通り、ノルベルト・ハウグの方だと言えます。
a「我々は最高のドライバーを起用したいし、純粋なドイツチームを望んでいるわけではない。国際的なシルバー・アローチームであり、我々はクルマに最高のドライバーを乗せたい。」
b「彼(ライコネン)は私の電話番号を持っている。彼はいつでも私に電話することができる。」
aについては、ロズベルグはドイツ人ですから残るシートはドイツ人以外、つまりライコネンということでしょうし、bについては、概して「早く電話してこい」とも聞こえます。(それにしてもこのコメントは、ドラマ「結婚できない男」の中で阿部寛さんが度々、口にした「あ、あなたが、どうしてもと、おっしゃるなら…」と同質のようにも感じます )
一方のロス・ブラウンはさすがというか、狸を決め込んでいて全く具体的なコメントは出てきません。シューマッハについての質問にも「彼が復帰したいような印象はなかった」などすっ呆けています。しかし、以下のエディ・ジョーダンのコメントがヒントになるかと思います。
「私はロスとマイケルが頻繁に話し合っていたので、これを確信している。ロスにとって、ミハエルがメルセデスGPをドライブするというのは垂涎のアイデアだろう。ミハエルは、マッサがケガをしたときにドライブできなかったのに本当に失望していた。ミハエルは再びレースをしたがっている。これは両者にとっての夢だ」
両者の温度差はどこにあるのでしょうか。僕は、チームの主導権を握るのに、ノルベルト・ハウグにとってはライコネンが、ロス・ブラウンにとってはシューマッハが必要だからではないかと想像します。
ノルベルト・ハウグがメルセデス入りしたのは90年で、シューマッハがジョーダンよりF1デビューしたのが91年ですので、ノルベルト・ハウグとメルセデス時代のシューマッハとの接点はあまりありません。一方のライコネンとは長年、共にマクラーレンで戦った仲ですし、何よりノルベルト・ハウグのお気に入りでした。
一方、ロス・ブラウンにとっては、チームの所有権を失ってしまった以上、実権はなんとしても握りたいはずです。その点シューマッハであれば、フェラーリで黄金時代を築いた仲ですから、ノルベルト・ハウグを「お飾り」にできる、と目算しているのではないでしょうか。
2)ライコネン
ライコネンのコメントも、「ブラウンGPとは話していない。彼らは今後メルセデスとかかわっていくから、来年は2人のドイツ人ドライバーを起用するだろうと思っている」などと、実に素っ気のないものとなっています。
しかし、「話していない」とは言っていますが、「行きたくない」とも一言も言っていません。ライコネンも自分から年俸要求の引き下げや、ラリー参戦許可に関するオプション等を引き下げるつもりはないぞ、との構えのようです。そこに「WRC移籍先の浮上」や「11年レッドブル加入」などの報道を交え、揺さぶりを掛けているように映ります。
それにしても「勝てるクルマのあるチーム以外は行かない」のであれば、「11年のレッドブル」より「10年のメルセデス」の方が余程、魅力的なのではないでしょうか。1年のブランクを作らなくて済みますし、マネージメントも昨年のブラウンGPの方がレッドブルよりも一枚も二枚も上手でした。何よりも来年からは大手メーカーのワークス・チームです。
さすがに「アイスマン」、表情一つ変えない、といったところでしょうか。
3)シューマッハ
シューマッハ・サイドの公式コメントは、シューマッハの広報を担うサビーネ・ケーム女史の「マイケルは今の生活を楽しんでいます。F1復帰というのは今のところ話題に上っていません」のみです。
実際には、もう一度F1をドライブしてみたいという気持ちと、3年間のブランクや自身の年齢から来る衰えに対する不安と葛藤しているのではないでしょうか。
何れにせよ、ライコネン以上に、一度引退したシューマッハから自身の価値を下げるようなアプローチをすることはないでしょうから、年俸もより高額とならざるを得ないでしょう(後述)。
3.またまたキープ君扱いのハイドフェルド?
ノルベルト・ハウグはハイドフェルドとの交渉があることを認めていますが、ロズベルグ&ハイドフェルド・コンビでは、2年連続ワールドチャンピョンの獲得を目指すラインナップとしては、力強さに欠ける印象です。
従って、ライコネンとシューマッハ双方の交渉が年俸などを理由に決裂した場合のリザーブ、キープ君 扱いということではないでしょうか。メルセデスは、マクラ‐レンのドライバー獲得時にも、ライコネンとバトン双方の交渉決裂時のリザーブ要員としてハイドフェルドと交渉を行っていた雰囲気があります。それに、メルセデスGPが今すぐにも獲得すべく契約書を持っていけば、ハイドフェルドはすぐにもサインしているはずです。
個人的には、ハイドフェルドも結構好きなドライバーです。一発の速さがないので、チームメイトであったクビサより目立った感はありませんが、ライコネン同様に予選時のタイヤの熱入れに苦しんだ08年(ブリヂストン・タイヤは僕の応援するドライバーにとっては天敵のようです)以外、07年と09年はより多くのポイントを獲得しています。41連続完走記録という地味な記録にもこっそり持っています。あのヒゲ面も、昔の戦争映画に出てくるU-Bootの艦長さんみたいで好感が持てます。
メルセデスGPとの交渉が決裂しても、ルノーのシートを獲得するなどして(本当にそうなったら、クビサとは切っても切れない腐れ縁ですね)、今後も活躍してほしいドライバーです。
4.残るシートは誰の手に?
さて、残るシートは一体全体、誰の手に渡るのでしょうか。
いずれにせよ、メルセデスGPが、高額な年俸要求には応じないことだけは確実なような気がします。メルセデスの主要市場である欧米における景気の本格回復は期待できそうもありません。加えて、ドイツにおいては、労働組合を解体したナチス時代の反省から非常に労働組合の力が強く、監査役として労働組合代表が取締役会の一角を占める旨会社法に規定されています。自然と「俺達の給料を下げておいてF1なんて贅沢な活動をするな! 」との声は強く、BMWの撤退を促したのも労働組合の意向が強く働いた模様です。また今般のブラウンGP買収に対しダイムラーの組合代表の反対意見は多かったようです。
ライコネンに対しては、バトンにオファーしたとされる800万ユーロから出せたとしても1,000万ユーロ当たりがギリギリのラインではないでしょうか。
この金額ですとフェラーリからの違約金(1年休養した場合1,700万ユーロ、他チームと契約した場合1,000万ユーロ)を考慮に入れても、1年休養するよりメルセデスGPで活動したほうが年俸トータルでは高くなるので、ライコネンに契約の動機付けにはなるはずです(対するマクラーレンのオファーは500万ユーロだった模様で、休養した方が高額年俸となると言われていました)。
一方のシューマッハを招聘するためには、より高額な年俸と成らざるを得ないのではないでしょうか。ライコネンと違いフェラーリからの違約金にオンする、という形は採れませんし、シューマッハはフェラーリとの契約下にあるため、逆に違約金を払わなければならない事態が生じる可能性もあります。
また、シューマッハが自らの価値を下げるようなアプローチをすることは、ライコネン以上にしないでしょうから、アロンソの年俸(2,500万ユーロ)と同等程度は必要となるのはないでしょうか。
(そのように考えるとライコネンの方が有利か …あくまでも独断と贔屓目です…)
そして以上の双方との交渉が決裂した場合、ハイドフェルドがシートを獲得するのではないでしょうか。
ストーブリーグにおいては、アロンソのフェラーリ移籍が示した通り、表に出てくる情報のみではその実態はわかりません。どのように公式コメントで否定されていようと、噂がある間は可能性がある、と考えていいのではないでしょうか。
いずれにせよ、ライコネンも譲らないのはコース上だけのこととして、来年のシート交渉については少しは妥協してもらいたいですね。
なぜなら世界中のファンのため、中でも日本のオバ…じゃなかった御令室・御令嬢ファンの方々のため(指が滑っただけです 、本当です 、セクハラで訴えないで下さい )、そしてホンの少しだけ、僕のような川井ちゃんモドキのお宅ッキー達の為に、
~キミはまだ、走りつづけなければならない~
のですから…