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みなさんこんにちは。

 

酒井根走遊会です。

 

今日は“タイムトライアル“というテーマで書いていこうと思います。

 

タイムトライアルの目的

皆さんはタイムトライアルをどんな時に行っていますか?

 

多くは、トレーニング初期・中期・レース前期に“自分の現状を測る”といった意味で行っていると思います。

 

こうした“自分の現状を測る”という目的で“タイムトライアル“を実施、もしくはワークアウトを“レース”に置き換え、それらで“自分の状態を確認する“ということも練習計画に入れていく必要は誰もが感じていることだと思います。

 

この“タイムトライル”や“レース”はただの現状確認ではなく、“重要なワークアウト“という側面も持っていることを忘れてはなりません。

 

“タイムトライアル“や“レース“は、体に掛かる負荷や精神的な負荷も大きくなる分、十分に計算された調整と回復があれば、その後大きく記録を伸ばしていくことに繋がります。

 

ワークアウトとしてのタイムトライアル

“タイムトライアル“や“レース“で獲得できる能力の中で、最も顕著に感じるものは

“レースぺースのコントロール“だと思います。

別の言い方をすると、レースでの“我慢“を体験することができ、次のレースでは”我慢できる距離が伸びた“もしくは”我慢のきつさが来るのが遅くなった“というような感覚を得ることによって、自分の走力がトレーニング計画に沿って向上できていることを実感できます。

 

このレースペースというのはタイムトライアルを行った距離におけるペースですが、タイムではなく“ペース“と書くのはそのペース配分が”設定されたタイム”とは少し違った意味を持っているからです。

 

ここでコントロールできるようになる“レースペース“とは、

タイムトライアルを行った距離で、ゴールで丁度エネルギーが“0”になる努力感が示すペース

と言えます。

 

タイムトライアルの実践

さて私の経験ですが、高校3年時の秋。県高校駅伝の前一か月にわたり、毎週2回(多い時は3回)10㎞のタイムトライアルを行いました。

記録の推移は以下の通りです。

9月4週目 32分23秒

10月1周目 31分50秒 31分33秒

10月2周目 31分21秒 31分30秒  5000m15分21秒

10月3周目 30分50秒 31分20秒  30分59秒

10月4周目 30分43秒 5000m14分59秒

10月5週目 30分53秒 

11月5日  30分49秒(駅伝1区)

 

この時にタイムトライアルの成果が出始めたのは10月2周目の31分21秒で走った時です。何となく自分の走りのリズムで、10㎞で丁度力を使い切るリズムをつかみ始めました。

 

タイムトライアルを詰めているので、疲労もあり1日空けて行った10㎞、土曜日の記録会はうまく走れていませんが、記録会から1日空けて行った10㎞では初めての30分台を記録しました。

 

努力感は前回の31分21秒の時と全く同じでしたが、更に10㎞で使い切るペース配分が良くなったといっていいと思います。

 

そのため1日空けて行った次の10㎞は前半を15分50秒あたりでいいと言われていたので、10㎞でエネルギーを残せるイメージで前半5㎞を走り、後半5㎞はいつもの10㎞の努力感で走りました。

 

10月4周目では自己ベストを更新する30分43秒を記録しています。

この週に入ると、10㎞を走り切る努力感は明確になっていたので、力が切れてもいいので残りの2㎞をできる限りプッシュしました。その結果自己ベストが出ましたが、かなり疲労が残りました。

 

週末には5000mのレースがあり、ここでは2分49秒で入りあとは我慢するレースで10㎞とは全く違う努力感の使い方をしたので非常に疲れました。

しかし結果的には、県の駅伝の本番は最初の1㎞を2分54秒で入り、タイムトライアルで行っていた努力感よりも速いペースで走ってしまいましたが、この5000mの経験があったからこそ、元のペースに持ち直して走り切ることができたといえます。

 

タイムトライアルでの適応

一回の練習でその選手が大きく飛躍する“魔法のワークアウト”は存在しないと思います。

ここでいう“魔法のワークアウト“とは選手のすべての能力値を大きく向上させるものです。

多くの選手は、“隣の芝生は青い“といわんばかりに速い選手、世界のトップレベルの選手の一つの”ワークアウト“を切り取ってそれが速くなる秘訣だと思ってコピーします。

上記で紹介した“怒涛のタイムトライアル”は全ての能力を上げた“魔法のワークアウト“だったのでしょうか?

私は違うと思います私の走力は確かに上がりました。上がったのは“能力数値”(例えばVo2やLTレベルといったもの)も多少あるとは思います。 

しかし最も上がった能力は数値的なものではなく、10㎞でエネルギーを上手に使い切る努力感のコントロールです。

レースペースに対する努力感は“感覚のランニングエコノミー”といえるかもしれません。

またエネルギーをその距離と時間のフィニッシュで“0”にするための一定の出力を体得することはランニングフォームにおけるエコノミーを向上させることに繋がります。

 

タイムトライアルの実践

実際に上記のような10㎞のタイムトライアルや5000mのレースを5週間に10回以上も行うのは肉体的にも精神的にも難しいです。

この肉体的・精神的負荷というものをよく考えることがトレーニング計画を順調に進めるために重要になってきます。

さらに最も重要なこととして、

“タイムトライアル”・“レース”だけ行って強くなっていくというのは難しいことがあるということです。

“タイムトライアル“や”レース”はその距離に対する能力を最も発揮するものですが、前述したとおり、数値的なものは劇的に飛躍するものではありません。

これらを効果的に行って、大きなステップアップにつなげるには、その前の“準備“が重要になってきます。

準備とはタイムトラアイルで力を発揮するための“スピード”・“基礎的なスタミナ”・“金持久力”・“Vo2maxやLTのレベル”などの能力のことを指します。

 

①   全ての能力をバランスよく向上させた後で、1~2週間の頻度でレース・タイムトライアルを行い、高めた能力をレースのペース(レース距離でのフィニッシュ地点で丁度エネルギーが“0”になる努力感)を確かなものにすることができます。多くの能力を準備してこのような時期に入った場合、毎レースごと・タイムトラアイルごとに努力感とエコノミーが洗練されてパフォーマンスは上がっていきます。このパフォーマンスの向上は数値的な能力の向上というよりも、レースペースに体が順応しエコノミーが極限まで高まっていくために生じます。

②   各能力を高めていく段階で、4週間~6週間に一度タイムトライアルやレースを行うこともパフォーマンスの順応を促します。同じ能力開発というのは毎週行っているとやがて停滞します。停滞というのは十分に鍛えられたと言えますが、その能力(練習)がどのようにレースペースに活きるのか肉体的にも精神的にも未知数です。

そのため、鍛えてきた能力とは違うきつさの中で走るタイムトライアルやレースを行うことによって現状を確認するだけでなく、体が最終的に目標としているレースのイメージと現状の感覚の差異を測ることができます。差異を測るだけでなく、体に強い刺激を与えることで、今まで行ってきた練習が自分の能力に繋がります。

ここでもいえることはタイムトライアルやレースで得た刺激が能力的な数値よりもエコノミーに繋がり、次のステップで取り組む能力開発にスムースに移行できます。

 (10㎞・ハーフマラソンなど距離が長くなると肉体的負荷は非常に大きくなりタイムトライアルは難しくなる。特に世界トップレベルの選手は、レースに向けて何度もレース・タイムトライアルを繰り返すことはほとんどない。こういった選手は実践をしなくともレースのエコノミーをワークアウトの経験や距離の短いレース・タイムトライアルで補うことができる。)

 

向き不向き

レースと違って、一人で行うタイムトライアルは向き不向きがあります。

レースは周りの選手に引っ張られたり、先頭を走ったり、声援を受けたり外的要因によって走りが良くなることがよくあります。

しかしタイムトライアルというのは、自分の力で走るしかありません。さらに一人で行うタイムトライアルは、自分との戦いです。

こうした一人でのタイムトライアルは、ランニング経験が長い選手やすでにタイムトライアル前に十分に能力がバランスよく開発された選手のみ、良い努力感を発見でき、それを大きなステップアップにつなげていくことができます。

逆にこうした状態の選手でない場合には、タイムトライアルは疲れるだけで得るものがほとんどないような練習になってしまいます。

ポイントは、“きついけどコントロールできる“

日本では“我慢できる”というように言うことが多いかと思います。

このうまく我慢できる感覚を磨いていくことが、効率の良い出力・努力感“感覚のランニングエコノミー”を高めていく作業に繋がります。

 

 

まとめ

私は、中長距離のランニングの行きつく先はここが最も重要だと思います。

自分のレースに対するランニングエコノミーを極限まで高めること。これによってレースペースでのリラックスしたランニングフォームとこころをフィニッシュラインに向けて発揮できるようになるのだと考えています。

 

 

 

昨日から仕事が始まり、酒井根走遊会のブログを更新するのも毎日は難しくなりそうです。

できれば来週も3日に1回くらいは更新できるように準備したいと思いますので、お時間ありましたら引き続き読んでいただけるとありがたく思います。

私の練習ですが、毎日芝生の公園を走り・坂ダッシュをまだ繰り返しています。

今月からは10㎞のテンポも入ってくるので、坂ダッシュとワークアウトのバランスを考えながら行っていく予定です。

今日は雨、明日も雨、明後日も雨…と芝生の公園はぬかるんでいそうですが脚への負担を考えてここを走り続けようと思います。(地元の地域しか走ってはいけないというルールは継続中でもあるので。)

 

それでは明日もHave a beautiful day👍